男はつらいよ 第49作 (シナリオ:
幡多山正太郎 挿絵:
久米真未)
■場面(8) ひなびた古風な旅館の玄関先・その1
近くの四万十川の河原から「スイカ割り」の探偵団イベントに遊び呆ける児童の声が響いてくる。
(おっと、季節が設定と全く違うか・・・写真の都合上、ご容赦を。K監督。)
【編集者注】メガホンをとるK監督が謝るシーンを挿入。ちなみにK監督は、黒沢明監督ではない。ん?
寅さんを連れた木俵真智子がA旅館のガラス戸をガラガラと開けて中に入る。玄関先や上がり口はよく磨かれ、掃除も行き届いて清潔に保たれている。
そろそろ午後の陽は傾き、コンクリートのたたきには斜めに陽光が差している。
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[台詞]
「おばちゃーん。おる~?、市役所の真智子です!」と奥の方へ声をかける。
奥の方から「はーい」と年寄りの声がし、さっぱりした和服姿で小太りのおばさん[赤木春恵]がエプロン掛けで現れる。
「真智子さんかね。おとどしいねえ。元気じゃったかね。今日は役所はお休みかね。」と、言いつつ、上がりかまちに座る。
「はい、今日は東京のお客さんを、案内してきました。車寅次郎さんとおっしゃる方です。」
寅「どうも、一宿一飯のお世話になりやす。」と、帽子に手をやり軽く会釈する。
「いらっしゃいませ ずいぶん遠くから来られてさぞやお疲れでしょう。」と、寅さんをそれとなく観察する。足元の雪駄履きには、やや長めに視線が止まった。
寅「いえいえ、いたって体は丈夫にできておりましてね。どこでも眠れる器用さも持ち合わせておりやす。さっきも橋の下で、いやそのその沈下橋の下の船の上でこちらのお嬢さんの子守歌を聞きながら、ウトウトとして疲れがすっかり取れたんですよ。」
「あら、私の短歌を子守歌だなんてひどい寅さん。」と、かわいく非難する素振りを見せつつ、「じゃあ寅さん、私はこれで失礼しますね。おばちゃん、よろしくね。」
寅「あっ、どうもありがとさんでしたね」
「真智子さん、お世話さまね。お父さんお母さんによろしくね。」
「はーい。ああ、そうだ寅さん、私市役所の一階の観光課にいますから、市内の観光のこと何でもいいから、問い合わせてくださいね。そうだ、それからおばちゃん、あのNHKの四万十川のビデオを寅さんに、後で見せてあげてね。私の観光ガイドの説明不足をそれで補うの。」と、玄関口で振り返りつつ言う。
寅「NHKの四万十川ビデオ? そりゃ楽しみだ、じゃあどうもわざわざのご案内、お世話になりやしたね。真智子さん。」と、親しさを女将同様の親戚気分のファ-ストネ-ム呼びで表現しようとする。
【編集者注:何で、四万十川の満開の桜(19.4.5)の写真なのか?この映画、季節感が点でバラバラ・・・、あえて、こじつけると、このあと、宿屋から寅さんが柴又の「さくら」に電話するシーンがあるから?写真提供は四万十川新聞社。】
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【ポスター】 [第24作]
寅次郎 : 渥美 清
櫻 : 倍賞千恵子
マドンナ : 香川京子
ロケ地 : 和歌山・京都西陣
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柴又の家に居候する外人マイケル。
その通訳に女子大生のめぐみとその母親圭子(香川京子)がやってきて何かと世話を焼いてくれる。
寅次郎は、圭子の美しさに一目惚れ・・・
<ポスターは四万十川新聞社蔵>
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新・四万十川新聞【日曜版】
古新聞=
『ブログフォーカス(四万十川通信)』
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