(四万・十人一首 第61巻)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第62巻)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第63巻)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第64巻)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第65巻)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第66巻)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第67巻)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第68巻)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第69巻)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第70巻)
(四万・十人一首 第51巻)

601・
小谷貞広(四万十市)
川開きの朝まだ暗き・・・
602・
西内燦夫(四万十市)
よい子なら四万十川の・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第52巻)

611・
小谷貞広(四万十市)
火振り漁の鮎追いつめる・・・
612・
西内燦夫(四万十市)
四万十川にゃ得体の知れぬ・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第53巻)

621・
小谷貞広(四万十市)
川端の柳も枯れて四万十の・・・
622・
西内燦夫(四万十市)
誰も知る四万十川の・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第54巻)

631・
小谷貞広(四万十市)
四万十川の鰻と言いて・・・
632・
西内燦夫(四万十市)
水難事故に遭わないようと・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第55巻)

641・
西内燦夫(四万十市)
四万十の沈下橋から・・・
642・
小谷貞広(四万十市)
分校の児童らと稚鮎を・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第56巻)

651・
西内燦夫(四万十市)
腕白でも子どもが・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第57巻)

661・
西内燦夫(四万十市)
四万十川は41℃の・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第58巻)

671・
小谷貞広(四万十市)
少年ら今朝も駆けゆく・・・
672・
西内燦夫(四万十市)
観光と情報とは・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第59巻)

681・
西内燦夫(四万十市)
四万十川ブームとなりて・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第60巻)

691・
西内燦夫(四万十市)
長年に愛した川の・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第41巻)

501・
西内燦夫(四万十市)
陸からは歩いて来れない・・・
502・
小谷貞広(四万十市)
一本の糸にすがりて・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第42巻)

511・
西内燦夫(四万十市)
写るとは花も思わず・・・
512・
小谷貞広(四万十市)
赤目魚の住むとう・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第43巻)

521・
西内燦夫(四万十市)
四万十の蜻蛉公園・・・
522・
小谷貞広(四万十市)
みづおくにすばやくはしる・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第44巻)

531・
西内燦夫(四万十市)
四万十川の山風に乗り・・・
532・
小谷貞広(四万十市)
ウオーキングといいて日暮れの・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第45巻)

541・
小谷貞広(四万十市)
見せるもの何もなければ・・・
542・
西内燦夫(四万十市)
四万十の川面拡げる・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第46巻)

551・
小谷貞広(四万十市)
寝ころびて今年も音を・・・
552・
西内燦夫(四万十市)
間もなくに「禁漁」となる・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第47巻)

【写真】歌会始の儀(宮殿 松の間)
561・
小谷貞広(四万十市)
わが前に立たれし陛下の・・・
562・
西内燦夫(四万十市)
清流のバロメーターの・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第48巻)

571・
小谷貞広(四万十市)
昨夜の雨に流れ速めし・・・
572・
西内燦夫(四万十市)
この川の昔の名前は・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第49巻)

581・
小谷貞広(四万十市)
釣り上げて掴みし・・・
582・
西内燦夫(四万十市)
四万十川の隠れ里なる・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第50巻)

591・
小谷貞広(四万十市)
落ち鮎の一群よぎる・・・
592・
西内燦夫(四万十市)
四万十川と太平洋の・・・
(四万・十人一首 第21巻)

301・
西内燦夫(四万十市)
霧深し四万十川は・・・
302・
小谷貞広(四万十市)
行く河の流れのごとき・・・
303・永橋三八夫 (土佐清水市)
華麗なる蟹のダンスが・・・
304・岩根鉄也 (四万十市)
四万十川の下流はたはた・・・
305・藤井幹雄 (島根県)
マタタビの葉の照り返す・・・
306・小橋延夫 (高知市)
登校の子らの雨傘・・・
307・山崎さが (福岡県)
朝霧に冷たきトマト・・・
308・岡林とし枝 (四万十市)
四万十の流れに佇ちし・・・
309・阿部 精 (宮城県)
投網の音を飲み込みて・・・
310・多田美津子 (東京都)
雨止みし今朝の四万十・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第22巻)

311・
西内燦夫(四万十市)
夏去りて川面をなでる・・・
312・
小谷貞広(四万十市)
昨夜の雨に流れ速めし・・・
313・小橋延夫 (高知市)
菜の花の岸を離れて・・・
314・阿部 精 (宮城県)
山々の清水束ねし・・・
315・多田美津子 (東京都)
四万十川の土手の茅花に・・・
316・北村道子 (青森県)
鮎と僕いっしょに泳ぐと・・・
317・橋田東声 (中村市<現四万十市>)
山川の瀬となる水の・・・
318・木戸三亀子 (四万十市)
高き枝に芥かかりて・・・
319・土屋文明 (群馬県)
中村と聞けば東声歌碑のこと・・・
320・俵 万智 (大阪府)
川えびの種類教えてくれし・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第23巻)

321・
西内燦夫(四万十市)
四万十川の水を綺麗に・・・
322・
小谷貞広(四万十市)
風たてば瀬切りに見えし・・・
323・小橋延夫 (高知市)
四万十川を渡る風音・・・
324・多田美津子 (東京都)
深々とよどむ碧水・・・
325・北村道子 (青森県)
産卵に背びれ水脈・・・
326・橋田東声 (中村市<現四万十市>)
夕かげにおのれ揺れゐる・・・
327・俵 万智 (大阪府)
蛇行する川には蛇行の・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第24巻)

331・
西内燦夫(四万十市)
お急ぎの方は許して・・・
332・
小谷貞広(四万十市)
小京都と言われて古し・・・
333・多田美津子 (東京都)
雨けぶる初冬の川面の・・・
334・俵 万智 (大阪府)
四万十川の源流点を・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第25巻)

341・
西内燦夫(四万十市)
「観光」に活路を見出す・・・
342・
小谷貞広(四万十市)
火振り漁鮎追いつめる・・・
343・多田美津子 (東京都)
夫の守る益野の教会・・・
344・俵 万智 (大阪府)
ここに生まれ海へと・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第26巻)

351・
西内燦夫(四万十市)
落ちアユが三十年来の・・・
352・
小谷貞広(四万十市)
故郷は父・母がいて・・・
353・多田美津子 (東京都)
往還に清流渡る・・・
354・俵 万智 (大阪府)
沈下橋沈下してゆく・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第27巻)

361・
西内燦夫(四万十市)
四万十あったか・・・
362・
小谷貞広(四万十市)
わが町の夜のアーケード街・・・
363・多田美津子 (東京都)
川えびの紅浮かぶ・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第28巻)

371・
西内燦夫(四万十市)
正月の四万十川の・・・
372・
小谷貞広(四万十市)
祭髪とかれ化粧も・・・
373・多田美津子 (東京都)
歳月に忘れ去らるる・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第29巻)

381・
西内燦夫(四万十市)
旧正月までが勝負と・・・
382・
小谷貞広(四万十市)
公家行列に一条教房・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第30巻)

391・
西内燦夫(四万十市)
松過ぎて四万十川を・・・
392・
小谷貞広(四万十市)
四万十の流れも校歌に・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第11巻)

201・
西内燦夫(四万十市)
四万十川の落ち鮎減りて・・・
202・寺田ゆたか (神奈川県)
秋あかね川面に群れて・・・
203・逸見悦子 (千葉県)
おかっぱの髪ゆるるさま・・・
204・森木秀子 (高知市)
今一度四万十川を・・・
205・飯塚智恵子 (東京都)
粛然と歌碑除幕式・・・
206・小野川美代子 (黒潮町)
四万十の濁流洗いゆく・・・
207・奥田洋子 (徳島県)
青海苔の餅ほほばりて・・・
208・三木雅子 (兵庫県)
水澄みて紅葉浮べる・・・
209・多賀一造 (四万十市)
舳先より振りて・・・
210・
大滝貞一 (新潟県)
一瞬の宙花となりし・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第12巻)

211・
西内燦夫(四万十市)
四万十川はエイリアンも・・・
212・寺田ゆたか (神奈川県)
手攫めばかわゆき鋏・・・
213・逸見悦子 (千葉県)
石菖藻うねる四万十の・・・
214・森木秀子 (高知市)
サファイアのごとく煌めき・・・
215・三木雅子 (兵庫県)
清流の上に出でたる・・・
216・多賀一造 (四万十市)
雄叫びて跳べば・・・
217・
大滝貞一(新潟県)
四万十川は夕陽に映えて・・・
218・石川正子
自称せる「晴男」を・・・
219・中村あやめ
雨けぶる佐田の沈下橋・・・
220・中村茂美 (高知市)
四万十に師の歌碑建つと・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第13巻)

221・
西内燦夫(四万十市)
天高く神馬の走る・・・
222・寺田ゆたか (神奈川県)
四万十川の水面に写る・・・
223・逸見悦子 (千葉県)
沈下橋渡れば思う・・・
224・多賀一造 (四万十市)
火振火の果てたる・・・
225・
大滝貞一 (新潟県)
みずおくにすばやくはしる・・・
226・
沖ななも (埼玉県)
鉄の橋から身を乗り出して・・・
227・西岡瑠璃子 (高知市)
渡川の名を碑に残し・・・
228・白木昭子 (福岡県)
民衆の生命守り来し・・・
229・富岡純子 (宿毛市)
亡母のみ魂も傍へに聞ける・・・
230・岩瀬長子 (四万十市)
海苔養殖の時季となりたり・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第14巻)

231・
西内燦夫(四万十市)
四万十川にゃ六尺程の・・・
232・寺田ゆたか (神奈川県)
四万十川のゆたけき・・・
233・逸見悦子 (千葉県)
菜の花の一面に咲く・・・
234・西岡瑠璃子 (高知市)
源流に近づくにつれ・・・
235・白木昭子 (福岡県)
川底に透す日に光る・・・
236・富岡純子 (宿毛市)
緑濃き山に囲まれ・・・
237・
石川恭子 (東京都)
東声の旧居は古りて・・・
238・亀山利里子 (京都府)
櫓の音を残してすぎし・・・
239・弘瀬幸子 (大月町)
澄み渡る川面の水は・・・
240・濱田和子 (高知市)
四万十川支流の峡に・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第15巻)

241・
西内燦夫(四万十市)
四万十川にゃ楽しきことの・・・
242・西岡瑠璃子 (高知市)
対岸に菜の花の群生・・・
243・白木昭子 (福岡県)
白きもの白く條ひく・・・
244・
石川恭子 (東京都)
土佐の国さやけく鳴れる・・・
245・山田紅衣 (愛媛県)
口重き漁夫のあやつる・・・
246・曽根篤子 (愛媛県)
水底の音聞くごとく・・・
247・岩根 徹 (四万十市)
四万十の大河行き交う・・・
248・八木田順峰 (青森県)
想像の翼広げて・・・
249・橋詰寿男 (高知市)
蜩の声涼やかに・・・
250・大森 孟 (埼玉県)
須崎よりなほ六十キロも・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第16巻)

251・
西内燦夫(四万十市)
驚いたこんなとこまで・・・
252・西岡瑠璃子 (高知市)
朝霧の渡る四万十に・・・
253・岩根 徹 (四万十市)
まほろばの四万十大河・・・
254・八木田順峰 (青森県)
老漁夫の投網が楕円に・・・
255・橋詰寿男 (高知市)
静けさに八色の鳥の・・・
256・大森 孟 (埼玉県)
まなかひに浮ぶ四国の・・・
257・斎藤洋子 (東京都)
合歓の花川面にゆれて・・・
258・住吉みさ
川霧が巡りの山を・・・
259・福永住子
山峡に霧立ち昇り・・・
260・福永住子
音もなく寄せくる霧の・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第17巻)

261・
西内燦夫(四万十市)
天高し戦う相手は・・・
262・岩根 徹 (四万十市)
赤鉄橋真中辺りで・・・
263・八木田順峰 (青森県)
若鮎の群れさかのぼる・・・
264・橋詰寿男 (高知市)
長走り火振りの漁の・・・
265・斎藤洋子 (東京都)
錦沙めく川面に映る・・・
266・中村キネ
屋形船勝丸に身を・・・
267・山形房枝
花びらも水泡も浮かべ・・・
268・浦田千鶴 (宿毛市)
四万十の河口はとろりと・・・
269・永橋三八夫 (土佐清水市)
百号の画布に四万十の・・・
270・御供平佶 (埼玉県)
鯨くる海にまじはる・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第18巻)

271・
西内燦夫(四万十市)
「RHYTHM」とは漢字で書けば・・・
272・岩根 徹 (四万十市)
屋形舟七・八人の・・・
273・斎藤洋子 (東京都)
沈下橋くぐりて下る・・・
274・浦田千鶴 (宿毛市)
四万十に亡夫と拾ひし・・・
275・御供平佶 (埼玉県)
かわうその残れる川と・・・
276・猿田秀見 (四万十市)
川漁より帰りて飯を食む・・・
277・永橋三八夫 (土佐清水市)
水さやぐ川瀬に竿の・・・
278・谷岡亜紀 (神奈川県)
渡川海へ注げる・・・
279・尾崎 清 (四万十市)
川海苔を干す手休めず・・・
280・石黒清介 (東京都)
四万十川を落ち来し鮎は・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第19巻)

281・
西内燦夫(四万十市)
お急ぎの方はご遠慮下さいね・・・
282・永橋三八夫 (土佐清水市)
こぞ捕りし日干しの鮎の・・・
283・尾崎 清 (四万十市)
落鮎を燻製にする・・・
284・石黒清介 (東京都)
逆光にてりいだされて・・・
285・猿田秀見 (四万十市)
石に付きし鮎の卵を・・・
286・加納 薫 (四万十市)
碧石に白く浮きたつ・・・
287・谷岡亜紀 (神奈川県)
土佐の酒今夜は温め・・・
288・橋詰寿男 (高知市)
遠近に唸るチェンーソー・・・
289・山原健二郎 (本山町)
朝には炭焼く煙・・・
290・花岡 環 (四万十市)
巨大なるショベルカーが・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第20巻)

291・
西内燦夫(四万十市)
四万十川の未来は僕らに・・・
292・永橋三八夫 (土佐清水市)
声あげて橋より跳びし・・・
293・石黒清介 (東京都)
潮けむりたててよせゐる・・・
294・宮本 操 (四万十市)
精悍なる老漁師の面・・・
295・中平松鶴 (十和村/現四万十町)
朝焼けの大空高く・・・
296・岩根鉄也 (四万十市)
くじ引きで椎名御前は・・・
297・村山安義 (福岡県)
清流の四万十川に・・・
298・藤井幹雄 (島根県)
菜の花のつづく川辺の・・・
299・小橋延夫 (高知市)
火振りぶね影絵のごとく・・・
300・平井軍冶 (青森県)
緩やかに流れて清き・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
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四万十川の文化人 小谷貞広
(四万・十人一首 第31巻)
第31巻が完成すると、目標(40010首)の1%達成です。四万十川の「
川の流れのように」たとえると、源流点から出発して、やっと船戸の旧「四万十源流センター」あたりというところでしょうか?河口までははるか遠い道のりです・・・。

401・
西内燦夫(四万十市)
八束には野鳥公園が・・・
402・
小谷貞広(四万十市)
幼くて小鮒を釣りし・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第32巻)

411・
小谷貞広(四万十市)
四万十川の青き流れを・・・
412・
西内燦夫(四万十市)
賀状では俺が愛する・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第33巻)

421・
西内燦夫(四万十市)
春浅き四万十川を・・・
422・
小谷貞広(四万十市)
市とはいうも昔の村の・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第34巻)

431・
西内燦夫(四万十市)
日本一旨い店だよ・・・
432・
小谷貞広(四万十市)
護岸には石積み重ね・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第35巻)

441・
西内燦夫(四万十市)
対岸の小学校へ・・・
442・
小谷貞広(四万十市)
ひとり来て橋の上より・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第36巻)

451・
小谷貞広(四万十市)
歌碑建てて下さるという・・・
452・
西内燦夫(四万十市)
四万十川のカギはガキだと・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第37巻)

461・
西内燦夫(四万十市)
追い風を受けてカヌーが・・・
462・
小谷貞広(四万十市)
もう一度釣りに行こうと・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第38巻)

471・
西内燦夫(四万十市)
空だって泳いで見せるぜ・・・
472・
小谷貞広(四万十市)
霧深し後ろちびたる・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第39巻)

481・
西内燦夫(四万十市)
四万十川を「綺麗ですね」と・・・
482・
小谷貞広(四万十市)
落鮎が産卵む日の・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第40巻)

491・
西内燦夫(四万十市)
四万十の未来を託した・・・
492・
小谷貞広(四万十市)
風立てば瀬切りに見えし・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第41巻)

501・
西内燦夫(四万十市)
陸からは歩いて来れない・・・
502・
小谷貞広(四万十市)
一本の糸にすがりて・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第42巻)

511・
西内燦夫(四万十市)
写るとは花も思わず・・・
512・
小谷貞広(四万十市)
赤目魚の住むとう・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第43巻)

521・
西内燦夫(四万十市)
四万十の蜻蛉公園・・・
522・
小谷貞広(四万十市)
みづおくにすばやくはしる・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第44巻)

531・
西内燦夫(四万十市)
四万十川の山風に乗り・・・
532・
小谷貞広(四万十市)
ウオーキングといいて日暮れの・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第45巻)

541・
小谷貞広(四万十市)
見せるもの何もなければ・・・
542・
西内燦夫(四万十市)
四万十の川面拡げる・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第46巻)

551・
小谷貞広(四万十市)
寝ころびて今年も音を・・・
552・
西内燦夫(四万十市)
間もなくに「禁漁」となる・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第47巻)

【写真】歌会始の儀(宮殿 松の間)
561・
小谷貞広(四万十市)
わが前に立たれし陛下の・・・
562・
西内燦夫(四万十市)
清流のバロメーターの・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第48巻)

571・
小谷貞広(四万十市)
昨夜の雨に流れ速めし・・・
572・
西内燦夫(四万十市)
この川の昔の名前は・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第49巻)

581・
小谷貞広(四万十市)
釣り上げて掴みし・・・
582・
西内燦夫(四万十市)
四万十川の隠れ里なる・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第50巻)

591・
小谷貞広(四万十市)
落ち鮎の一群よぎる・・・
592・
西内燦夫(四万十市)
四万十川と太平洋の・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第51巻)

601・
小谷貞広(四万十市)
川開きの朝まだ暗き・・・
602・
西内燦夫(四万十市)
よい子なら四万十川の・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第52巻)

611・
小谷貞広(四万十市)
火振り漁の鮎追いつめる・・・
612・
西内燦夫(四万十市)
四万十川にゃ得体の知れぬ・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第53巻)

621・
小谷貞広(四万十市)
川端の柳も枯れて四万十の・・・
622・
西内燦夫(四万十市)
誰も知る四万十川の・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第54巻)

631・
小谷貞広(四万十市)
四万十川の鰻と言いて・・・
632・
西内燦夫(四万十市)
水難事故に遭わないようと・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第55巻)

641・
西内燦夫(四万十市)
四万十の沈下橋から・・・
642・
小谷貞広(四万十市)
分校の児童らと稚鮎を・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第56巻)

651・
西内燦夫(四万十市)
腕白でも子どもが・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第57巻)

661・
西内燦夫(四万十市)
四万十川は41℃の・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第58巻)

671・
小谷貞広(四万十市)
少年ら今朝も駆けゆく・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第59巻)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第60巻)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第61巻)
①

②

⑦

⑥

⑦2

③

⑤

舟1

舟2
■関連ブログ
四万十川の文化人 小谷貞広
四万十川新聞
■
清流・四万十川
四万十川の百風景は、地域永住者の眼と旅行者の着眼が相侯った、新鮮な四万十川を「歌枕」とした歌になる。四万十川への想いが詠みこまれた、これらの歌により、一人でも多くの人が、清流を心のふるさととして敬愛してくれることになれば・・・、
清流四万十川よ、永遠なれ・・・、
と祈らずにはいられない。(大滝貞一)
◆
四万十川百風景
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
四万十川百人一首
[この人] [この一首]
01・
俵 万智 (大阪府)
四万十に光の粒を・・・
02・
小谷貞広(四万十市)
霧深し児らの姿を・・・
03・
土屋文明(群馬県)
君がほこりし四万十を・・・
04・木戸三亀子 (四万十市)
赤鉄橋渡りつつ見下ろす・・・
05・横山美子 (大阪府)
蛇のごと四万十川は・・・
06・森岡郁夫 (土佐市)
遠嶺に春雪残る津野山の・・・
07・
橋田東声 (四万十市)
ゆふ空に片照る雲の・・・
08・斎藤矢須代 (神奈川県)
温かき飯にのせ食む・・・
09・浜口秋雄 (福岡県)
黒き背のウグイ浅瀬に・・・
10・下田佳子 (土佐清水市)
空に花咲かせるように・・・
11・北村道子 (青森県)
産卵を終えたる鮎は・・・
12・
大野 晃 (長野県)
四万十の川面に映る・・・
13・
多田美津子 (東京都)
音もなく流るる川面・・・
14・工藤きみ子 (北海道)
四万十の川の流れに・・・
15・
北見志保子 (宿毛市)
岸のべの松は伐られて・・・
16・前川竜女 (南国市)
ざるそばの盛りに青海苔・・・
17・阿部 精 (宮城県)
山々の清水束ねて四万十は・・・
18・田中朋枝 (愛媛県)
午前四時まだ明けやらぬ・・・
19・
吉井 勇(東京都)
山ふかく数里のあひだ・・・
20・岡林とし枝 (四万十市)
水底を小石にとどく・・・
21・山崎さが (福岡県)
産卵の四万十川は・・・
22・平井軍冶 (青森県)
携帯電話に指示を仰ぎて
23・
小橋延夫 (高知市)
四万十川の激しき流れ・・・
24・藤井幹雄 (島根県)
四万十の川石に・・・
25・村山安義 (福岡県)
およそ死に遠きもの・・・
26・岩根鉄也(四万十市)
岸躑躅四万十川の・・・
27・
中平松鶴(四万十町・旧十和村)
渡し舟竹の浮橋・・・
28・神林敏夫(新潟県)
狂詩曲のリズムの如く・・・
29・宮本 操(四万十市)
心して浄化に努めし・・・
30・花岡 環(四万十市)
四万十川に底まで透す・・・
31・
山原健二郎(本山町)
竹の火で焼くにが竹に・・・
32・
石黒清介(東京都)
逆光にてりいでにつつ・・・
33・尾崎 清(四万十市)
さわだ屋に沢田研二が・・・
34・田辺喜久代(土佐清水市)
四万十川の青き水面に・・・
35・
谷岡亜紀(東京都)
回想の彼方輝く川ありて・・・
36・柚季(高知県)
七色のカヌー行き交う・・・
37・
大岸由起子(土佐山田町)
ひき潮に真砂まろぶも・・・
38・永橋三八夫(土佐清水市)
浮く鴨はそのままにして
39・加納 薫(四万十市)
四万十川煌く流れに
40・猿田秀見(四万十市)
川を読むことも子は継ぎ
41・黒川輝代(宿毛市)
四万十川跨ぎ
42・
御供平佶(埼玉県)
四万十に最後に架かる
43・浦田千鶴(宿毛市)
四万十の母なる川に
44・村上 衣 (長崎県)
峰峰に皓き樹氷の
45・斎藤洋子(東京都)
赤光の川面なでゆく
46・
大森 孟(埼玉県)
四万十の清き流れは
47・橋詰寿男(高知市)
向山渡る沈下の
48・八木田順峰(青森県)
両岸に住む人の業
49・秋元厚志(野市町)
身体に余る自転車
50・岩根 徹(四万十市)
沈下橋行き交う人に
51・
高瀬一誌(東京都)
動き始めた四万十川には
52・曽根篤子(愛媛県)
早春の四万十川に
53・
上林 暁(大方町・現黒潮町)
今は早や宿立ち出づる
54・山田紅衣(愛媛県)
四万十の軽き石ころと
55・濱田和子(高知市)
一行の詩に立ち上がりし
56・春川喜多子(新潟県)
四万十川語る牧師の
57・弘瀬幸子(大月町)
紅羽毛でなでたる
58・亀山利里子(京都府)
ふるさとは遠くなれども
59・
石川恭子(東京都)
四万十の青き河水
60・片岡正法(高知市)
ほのぼのと旭日をうけて
61・酒井 保(高知市)
黄昏るる四万十川の
62・後藤彦次(兵庫県)
水引けばすぐに渡れる
63・富岡純子(宿毛市)
赤き鉄橋渡れば
64・清遠幸男(芸西村)
四万十の流れゆたかに
65・白木昭子(福岡県)
海越えて香り流れ来
66・
大江満雄(宿毛市)
おもふほどおもふほどに
67・今井嘉彦(高知市)
歳末も落鮎漁
68・西岡瑠璃子(高知市)
荷を解けば四万十の鮎
69・加用千鶴子(四万十市)
逞しくなりて戻れと
70・
沖ななも(埼玉県)
鉄の橋から身を乗り出して
71・
大滝貞一(新潟県)
風うけて光りおのづから
72・多賀一造(四万十市)
初夏の光に透ける
73・三木雅子(兵庫県)
船端に立ちて漁師が
74・奥田洋子(大阪府)
四万十の川面を撫でる
75・白石多津子(高知市)
けふよりは満天の星も
76・中山千恵子(兵庫県)
いづこより集まりたるか
77・小野川美代子(黒潮町)
四万十の河畔を元気に
78・飯塚智恵子(東京都)
雨も佳し四万十川は
79・森木秀子(高知市)
四万十川の漁師の話し
80・安部巳佐子(東京都)
沈下橋三十余あると
81・杉本幸子(香美市/土佐山田町)
若き日は四万十の
82・溝渕英子(四万十市)
亡き父が鰡釣りゐしは
83・森 サヨ子(高知市)
動員に飛機を造りて
84・岩本幸久(広島県)
夜店から抜け出してきた
85・逸見悦子(千葉県)
四万十川の瀬音に
86・岩瀬長子(四万十市)
四万十川の水豊かなり
87・有井佐代子(四万十市)
新緑の山影映す
88・宮崎 孝(四万十市)
「おい急げ」水越え始む
89・寺田 ゆたか(神奈川県)
ゆうるりと流れ淀める
90・平賀冨美子(神奈川県)
あおさのりのかをりのたちて
91・中嶋健造(いの町)
梅雨時の四万十川を走る
92・朝日照代(四万十市)
冬枯れの四万十川よりほのか
93・平田 雅(高知市)
たゆたひて海にゆくとも
94・島村宣暢(四万十市)
青のりを採る人舟に
95・徳弘 久(高知市)
四万十川の源流といふ
96・岡添眞子(四万十市)
浅緑・青・青藍と
97・篠田福美(四万十市)
楝咲く頃と尋ねし
98・中山義治(埼玉県)
君慕う藤のこころね
99・
西内燦夫(四万十市)
川に老い孫の好みの
100・詠み人知らず
淡き濃き葉の重なりの
(コメント) 橋本大二郎
***************************
101首のここからは『
四万・十人一首』となります。
◆
四万・十人一首とは・・・?
松崎武彦氏 【
プロフィール】
バイオマス通信の主宰者、松崎武彦氏は平成20年12月に逝去されました。謹んでご冥福を、お祈り申し上げます。合掌。(四万十川通信「四万十川博物館」)
【著書】
バイオマス通信 <森林県高知からのメッセージ>
(株式会社南の風社・刊)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
■バイオマス通信
第1号 バイオマス普及に必要な公的支援、最大の課題は集材
第2号 仁淀川地区における小規模林家およびNPOによる集材
第3号 小規模集材の成功とその意義
第4号 大規模伐採は地域の木材産業を救えるか?(1)
第5号 大規模伐採は地域の木材産業を救えるか?(2)
第6号 小規模ということ(中嶋健造:土佐の森・救援隊事務局長)
**************************
■講演(シンポジウム『京都議定書と森林問題』)
『バイオマス』・・・【
研究報告書:野村恭子氏】
・
バイオマスエネルギー利用シンポin高知
・
バイオマス白書
・
森林バイオマスの理活用は何故必要か・その1
・
森林バイオマスの理活用は何故必要か・その2
・
森林バイオマスの理活用は何故必要か・その3
・
森林バイオマスの理活用は何故必要か・その4
・
森林バイオマスの理活用は何故必要か・その5
・シンポジウム「21世紀に森・川・海が再生 するために」
(四万・十人一首 第1巻)

101・松本 誓(四万十市)
四万十川の春夏秋冬・・・
102・伊藤香代子(香川県)
川沿いの冬の山道・・・
103・伊藤友喜(香川県)
空の碧山の緑を・・・
104・川島二三子(四万十市)
四万十の風に吹かれて・・・
105・田中 全(大阪府)
四万十にのみこまれにし・・・
106・奥宮武男(高知市)
四万十の瀬につかまんと・・・
107・笹岡誠子(四万十町)
さくら咲く丘より眺む・・・
108・
西内燦夫(四万十市)
有名となりし幡多路は・・・
109・
山原健二郎(本山町)
朝には炭焼く煙・・・
110・
沖ななも(埼玉県)
うずまくとみせてS字に・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第2巻)

111・青木市子(高知市)
年古りて恋しさつのる・・・
112・稲本 正(岐阜県)
初めてのカヌー下りが・・・
113・渡辺 護(春野町)
四万十の水は碧濃し・・・
114・明神佐智(四万十市)
水面(かわも)より碧き空へと・・・
115・
西内燦夫(四万十市)
UFOが降りて来たよと・・・
116・山本美津子(高知市)
この願い一つの星に・・・
117・岡崎三千代(四万十市)
あばれ川人喰い川と・・・
118・伊豆良子(四万十市)
四万十川の豪雨過ぎたる・・・
119・伊藤美千代(いの町)
どこまでがこの世の界ぞ・・・
120・岡村啓佐(高知市)
満天の星と競いし・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第3巻)

121・嶋岡蕗子(四万十町)
四万十の初夏の水面に・・・
122・
市川敦子(四万十市)
川びより丘の平に・・・
123・木戸三亀子(四万十市)
四万十川と後川の・・・
124・下田佳子(土佐清水市)
身を折りてシラスウナギを・・・
125・浦田千鶴(宿毛市)
四万十の河口はとろりと・・・
126・森木秀子(高知市)
四万十川に来るたび思ふ・・・
127・青木市子(高知市)
子育てに生活に追われ・・・
128・中山義治(埼玉県)
花の香を訪ね歩いて・・・
129・
小谷貞広(四万十市)
老いぬれば老いてしりたる・・・
130・
西内燦夫(四万十市)
嫁ぐ娘が「父の日」へとの・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第4巻)

131・徳弘 久(高知市)
中村の女はやさしと・・・
132・岡林とし枝(四万十市)
四万十の流れに佇ちし・・・
133・山田紅衣(愛媛県)
口重き漁夫のあやつる・・・
134・中山義治(埼玉県)
風に散る桜の花を・・・
135・
多田美津子 (東京都)
雨止みし今朝の四万十川・・・
136・
山原健二郎(本山町)
君知るや幡多初崎の・・・
137・
小谷貞広(四万十市)
わが町も黄砂にけぶる・・・
138・
市川浩司(東京都)
四万十の河原に憩ふ・・・
139・
西内燦夫(四万十市)
往生の話をすれば・・・
140・
田所賢一(高知市)
去年のクリスマスは・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第5巻)

141・
西内燦夫(四万十市)
四万十川の鮎の気配に・・・
142・加納 薫(四万十市)
幼き日手長えび取りし・・・
143・西内花子(四万十市)
川に老ふ父の漁具に・・・
144・
多田美津子 (東京都)
四万十川の土手の茅花に・・・
145・曽根篤子(愛媛県)
四万十川の鉄橋越えて・・・
146・青木市子(高知市)
目閉ずれば荒しくゆるく・・・
147・片岡正法(高知市)
歳月は風雪豪雨・・・
148・笹岡誠子(四万十町)
五月雨に川幅広く・・・
149・森木秀子(高知市)
この川をいかに渡りて・・・
150・溝渕英子(四万十市)
同じ「雲珠」の縁をいただき・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第6巻)

151・加納 薫(四万十市)
柳の芽細く芽ぶきて・・・
152・市川浩司(佐川町)
日時計の影は三時に・・・
153・橋詰壽男(高知市)
四万十よ仁淀の川や・・・
154・
西内燦夫(四万十市)
花嫁や新入生や・・・
155・足羽 潔 (高知市)
白銀の川面に輝く・・・
156・
小谷貞広(四万十市)
釣りあげし下りの鮎が・・・
157・川北 優 (兵庫県)
清流に魚が踊り・・・
158・岡添眞子 (四万十市)
暑さしのぎの倒立のまま・・・
159・
小橋延夫 (高知市)
千里かけ四万十河口に・・・
160・村山安義 (福岡県)
清流の四万十川に・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第7巻)

161・
西内燦夫(四万十市)
四万十川の過疎の村でも・・・
162・岡添眞子 (四万十市)
あめんぼになれない私・・・
163・
小橋延夫 (高知市)
火振りぶね影絵のごとく・・・
164・
小谷貞広(四万十市)
ふり込むは吉の兆しと・・・
165・四万十太郎 (四万十市)
エビならば後を向いて・・・
166・四万十花子 (四万十市)
急ごうとするから焦る・・・
167・篠田福美 (四万十市)
四万十川の沖積土らしき・・・
168・島村宣暢 (四万十市)
脱皮して若き甲羅の・・・
169・平田 雅 (高知市)
落ち鮎の喉ふさぐまで・・・
170・朝田照代 (四万十市)
しらす漁終わりて川は・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第8巻)

171・
西内燦夫(四万十市)
若さとは美しきものと・・・
172・四万十花子 (四万十市)
四万十川を母なる川・・・
173・岡添眞子 (四万十市)
少年は自転車で来ぬ・・・
174・
小橋延夫 (高知市)
四万十川を渡る風音・・・
175・
小谷貞広(四万十市)
綱さげて腰までつかり・・・
176・島村宣暢 (四万十市)
渡り来し鳥を生き生き・・・
177・平賀冨美子 (神奈川県)
音もなく渦巻きてゐる・・・
178・寺田ゆたか (神奈川県)
『藤娘』ぬるくあたため・・・
179・宮崎 孝 (四万十市)
廃校のジャングルジムは・・・
180・有井佐代子 (四万十市)
雨に濡れし碧翠石を・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第9巻)

181・
西内燦夫(四万十市)
よい子には「見せないでくれ」・・・
182・
小橋延夫 (高知市)
登校の子らの雨傘・・・
183・岡添眞子 (四万十市)
コロニーは目の前の山か・・・
184・島村宣暢 (四万十市)
四万十川に銀河架かりし・・・
185・寺田ゆたか (神奈川県)
うらうらと春陽かげろひ・・・
186・有井佐代子 (四万十市)
四万十川讃る歌を・・・
187・岩瀬長子 (四万十市)
台風の去りたる川に・・・
188・逸見悦子 (千葉県)
笹薮も釣りする人も・・・
189・岩本幸久 (広島県)
盆送り精霊蜻蛉は・・・
190・溝渕英子 (四万十市)
「方丈記」の冒頭低く・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(四万・十人一首 第10巻)

191・
西内燦夫(四万十市)
笠取れば思いがけなき・・・
192・
小橋延夫 (高知市)
菜の花の岸を離れて・・・
193・岡添眞子 (四万十市)
今我は異次元よりの・・・
194・寺田ゆたか (神奈川県)
川下るカヌー楽しも・・・
195・逸見悦子 (千葉県)
草覆う川辺につかむ・・・
196・溝渕英子 (四万十市)
さして来し夕潮ならむ・・・
197・森木秀子 (高知市)
友に賜びし四万十川の・・・
198・飯塚智恵子 (東京都)
雨けぶる岸辺に建ちて・・・
199・小野川美代子 (黒潮町)
広き河原駆けめぐりては・・・
200・中山千恵子 (兵庫県)
四万十の水豊なる・・・
■抜けば玉散る鎖の刃
昔の武士の嗜みとしての刀の手入れ風景を、間伐に勤しむNPO土佐の森・救援隊の隊員の日常風景として、置き換えて描いてみました。
題して『抜けば玉散る鎖の刃』。

当時の武士にとって魂というべき高価な刀の手入れは、丁子油(植物性油、空気中の湿気遮断=錆防止)、打粉(砥石の微細粉末、古い油除去と表面仕上げ)、和紙(刀身拭い2種類以上)を使った、作法に則る丁寧かつ精神的な修業の一環でした。
話は全く変わって、大リ-グ・マリナ-ズのイチロー選手が、大活躍した入団初年度のシ-ズンオフに帰国した際、出身小学校に錦を飾り、学童相手に講演した内容の中に「野球が上手になるためには道具の手入れをきちんとすること」というのがありました。
聞いた当時にはちょっと奇異感があったのですが、今振り返ると含蓄のあるいい言葉です。このイチロ-選手の「道具のメンテを大切に」という思考はいかにも日本的でありますが、さらにこれが技の熟達につながるというのは、感性的に何となく納得出来て、あらゆるスポーツや武道などに通じる深い理念と思われます。
実は、私は、NPO土佐の森・救援隊では理事/式典委員長以外に備品管理部長(兼不良債権回収班長)を拝命しております。隊員あるいは研修生の皆様方におかれましても、不良備品とならないように・・・愛情を持ってチェンソ-を始めとする各種道具類に接し、手入れをマメにしていただきたいと思います。これこそは「間伐道」に熟達する真実一路の王道であります。
抜けのない、磨かれた、良品のオチですなぁ!・・・ ん?!。(道場主・片岡正法)
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[関連資料]
◆
切り口と流派
伐根って言うでしょうか、これは大事ですよね!数回「土佐の森」に参加しただけの者ですが、この漫画の気持ちは分かるような気がします。流派まではどうか分かりませんが、「かなりの手練か?」はたまた「全くの素人か?」には、思わず笑ってしまいました。侮る無かれ「弦の残り具合」勉強になります。(三木・大阪)

【写真】土佐の森方式軽架線を張る三木氏(いの町本川「未来の森」)
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◆道場主が関わった『漫画』シリーズ
<四万十川博物館蔵>
・公開:『まんが道場』
Ⅰ~Ⅶ
・実録:『日曜市まんがギャラリー』
1~20
・四万十川漫画大会(バーチャル)
1~45
・ゴルゴ13の墓を四万十川に・・・
1~13
・寅次郎の「四万十川の大休日」
1巻~30巻

【写真】ゴルゴ13と四万十川
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[予告編]
熱烈な、ごく少数のファンのため、今後の『まんが道場』(Ⅷ~Ⅹ)を、チラリとお見せします!ご期待を・・・(片岡)
◆理事長の憂鬱<‘07通常総会の模様より>(4コマ)
◆矢野隊員の林内作業車による彼女とのドライブ編(4コマ)
◆伐倒前の神主、坊主によるセレモニ-編(1コマ)
◆聖林での技術指導編(4コマ)

四万十川通信社&四万十川新聞社では、バーチャル映画第49作『男はつらいよ 寅次郎の「四万十川の大休日」』の完成を記念して、寅さんシリーズ:「男はつらいよ」ポスター展を開催します。
会場は、バーチャルでは、ブログ:
新・四万十川新聞【日曜版】 、リアルでは、四万十市天神橋アーケード街(予定)です。
リアルでは、正真正銘、本物の「男はつらいよ」ポスターを展示します。なお、四万十市での詳しい開催情報は、四万十川新聞社へ、お問い合わせ下さい。
・日 時 : 平成20年1月より
・主 催 : 四万十川通信社&四万十川新聞社
◆バーチャル:
「男はつらいよ」ポスター展
(新・四万十川新聞【日曜版】)
○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o
新・四万十川新聞【日曜版】
古新聞=
『ブログフォーカス(四万十川通信)』
○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o
***********************
お年玉が当たっていた場合、『メール年賀状』をいただいた方の中から抽選で1名様に、郵便会社の年賀状(原本)を、お送りします。
バーチャル:
四万十川博物館(四万十川通信社)
#
by shimantokawa
| 2008-01-01 06:32
男はつらいよ 番外編 (シナリオ:
幡多山正太郎 挿絵:
久米真未)
■寅次郎の「四万十川の大休日」連載終了後の4者会談
山藤花) 今年初めから連載を始めた寅さんの第49作目が、いよいよ終了しました。一年間の長丁場でしたが、シナリオを書かれた幡多山正太郎さん、挿絵担当の久米真末さん、お疲れ様でした。いろいろありがとうございました。

幡多山、久米) こちらこそどうもありがとうございました。(口々に)
山藤花) もともと、この作品は寅さんの熱烈ファンだった四万十新聞社主の太郎さんの思い、執念が我々スタッフに伝染し、力を合わせ出来ていった気がします。

太郎) そうなんですよ。あの時は落ち込んでしまって、しばらく立ち上がれなかったですよ。
なんせ、山田洋二監督の自宅や松竹本社まで押しかけて交渉したロケ誘致の成果でしたからね。しかも現地で松竹の先陣部隊とシナリオハンチングまで一緒に済ましていたんですから。まったくがっくりでしたね。
10年たった今でもあの落ち込んだ気持ちは鮮やかに覚えています。

幡多山) 寅さんの第49作目の件は、私も当時南国市の知人から寅さんの高知ロケが決定したと聞いていたので、楽しみにしていたんですよ。
その後渥美清さんの突然の死を知って衝撃を受けた記憶が残っています。
今回、太郎さんに協力ができて、とてもうれしいことでした。
山藤花) その直接のきっかけは例のゴルゴ13の墓の誘致の新聞小説連載が、寅さんの墓の話に結びついたんですよね。墓の話から生まれたというのも何か面白い企画の流れですね。(笑い)
◆
ゴルゴ13と四万十川
太郎) かみさん(花子)は墓の誘致なんて不真面目として、最初はまるで関心はなかったんですが、途中から面白い展開になってきたと言ってました。登場人物が身近なせいもあるでしょうが・・・。(笑い)
山藤花) 渥美清さんの死後10年の区切りにこういう形を取ったので、太郎さんもやっと心の整理が出来たんじゃありませんか。
太郎) そうですね。自分の心の整理とともに、寅さん、いや渥美清さんの供養が出来たような気がします。「故渥美清さんにこの作品を捧げます」とシナリオ最終行に書かれていて、我知らず涙がポロッと出ちゃいました。
幡多山) そう言っていただくとシナリオライター冥利につきます。

山藤花) 挿絵を描いてもらった久米さんの画風も柔らかくてのんびりしていて、ストーリーに良くマッチしていましたね。
久米) 私は今20歳ですが、寅さんの映画もビデオもこれまで一度も見たことはありません。
・・・一同づっこける。・・・

幡多山) 活字の羅列だけでは、やはり読者も読みづらいですけど、ビジュアルなものがあると読みやすくなるんですよね。いいパートナーとして若いパワーを発揮してもらって感謝しています。
山藤花) そういえば幡多山さんが久米さんをスカウトしたのですね。
幡多山) いや~ たまたま彼女の作品に触れる機会がありましてね。これだ!と惚れてしまいました。惚れっぷりはまるで寅さんみたいに直情型でした。(笑い)
久米) 漫画甲子園で一応名前を売った岡豊高校アニメ・漫画部出身ですが、私は2軍で甲子園には実は出ていません。ポリテクカレッジ高知では結構描いていましたが。(ポリテクを19年3月卒業)

山藤花) 今回は前相棒の不破川愚童斎さんの挿絵の構想はなかったのですか。
幡多山) いや~、「G13の墓を四万十川に」の時には彼は暴走してしまいましてね。私よりももっと過激にG13をパロディ化してしまったりで、文章が漫画にまた食われるのはかなわんと今回は敬遠しました。その後何かブツブツ言っていましたが、久米さんにはさすがにかなわないと今は静かにしています。
【写真】不破川愚童斎氏
太郎) 四万十市の天神橋商店街で寅さんの映画ポスタ-展をやります。話題性があって評判は取れると思いますよ。それからこの挿絵のよさもあったんでしょう、けっこう知らず知らずの内に各方面にこの寅さん49作目が話題を呼びましてね。思いがけない筋から声を掛けられてびっくりしたこともあります。たとえば高知工科大学の前学長さんとか・・・。
山藤花) 幡多地域の話題提供で今後が楽しみですね。ところで、幡多山さんはストーリーづくりとして、どういう点に苦労されましたか。
幡多山) 四万十川地域にはいろんな話題がたくさんあり、物語の展開で苦労はなかったですね。むしろ惜しいと思いつつ、切り捨てていく事項が多かった感じかな。しいて言えば各シーンの連続性の円滑さに注意を払ったくらいですよ。足摺岬や見残海岸もシーンとしてほしかった気はしましたが、あまりゴチャ、ゴチャしたくないなという気も一方ではあったわけで・・・。
太郎) 長からず、短からず、また寅さんの言動イメージとしては、シナリオハンチングに加わった私としては納得できるレベルでした。写真も適宜いいのが揃ってましたね。
幡多山) キャラが出来上がっているから、台詞とかもほいほい浮かびましたね。仕上げるのに延べ50時間くらいの所要時間でしたが、さすがに結末をどうするかはしばらく悩みました。

山藤花) 今回の49作目の特徴をあえて言うとしたらどう点ですか。
幡多山) 悠久の大河四万十川と、寅さん自身が自分の生き様を対比しようとするなど、文学性が垣間見えるかもしれませんが、できるだけエンターテインメントに徹しようとしました。
今回は柴又には帰らず、結婚・目出度し々々は当然なし、彼は永遠の旅人なんですね。
【写真】ポスター(「男はつらいよ」第49作目)
山藤花) 私の好きな山頭火の句を、ちょこっと書き加えたりさせてもらいました。それではまた新作が出来ましたなら、連絡をください。掲載欄をあけてますので・・・。
幡多山) はい、またよろしくです。 ・・・ ん?!。
最後になりましたが、読者の皆様にお礼を申し上げます。ありがとうございました。(一同感謝!)

もりもりもりあがる雲へあゆむ (山頭火)
(完)
男はつらいよ 第49作 (シナリオ:
幡多山正太郎 挿絵:
久米真未)
■場面(19) 最終章・エンディング

映像は、寅さんの腕の一部、垂れ下がるお守りと床に鎮座する帽子を写したあと、車外の列車上空へ次第に上昇し俯瞰する。
群れ飛ぶ赤とんぼが時々画面に入る。

サイレンを鳴らして駅に近寄ってくる救急車の姿が見える。さらに上空へ駆け上る。松田川が見える。ダルマ夕陽の宿毛湾が画面に入ってくる。
東方には中筋川の流れ。もりあがる雲。
そして、その、はるか遠くには、光輝く四万十川の流れが見える。
さようなら、四万十川 夢のまた夢・・・
<ここで、フェイドアウト。>
=
完=

もりもりもりあがる雲へあゆむ (山頭火)
(この句は、山頭火の辞世の句と云われている。)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[台詞]
語り[幡多山正太郎]
長らくのご愛読をありがとうございました。
これにて「男はつらいよ 寅さんの四万十の大休日」を終わります。
この作品を、故渥美清氏にささげます。
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【ポスター】 [第49作]

寅次郎 :渥美 清
櫻 :倍賞千恵子
マドンナ:仲間由紀恵
ロケ地 :高知県四万十川
*************
悠久の大河、日本最後の清流といわれる四万十川に、寅さんの姿があった。
その四万十川の河原は、一面の「菜の花畑」。
季節はずれの「赤とんぼ」が飛んでいる。
黄昏るる四万十川の大橋を、補陀落へ向かう「花遍路」の影が見える。
寅さんの「花遍路」の旅は、いずこより来て、いずこに向かうのであろうか・・・

◆花遍路の【
四万十川百人一首】① 酒井 保(高知市)
◆花遍路の【
四万十川百人一首】② 山藤花(四万十市)
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新・四万十川新聞【日曜版】
古新聞=
『ブログフォーカス(四万十川通信)』
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男はつらいよ 第49作 (シナリオ:
幡多山正太郎 挿絵:
久米真未)
■場面(18) 終着駅

終点到着にも関わらず、目覚めぬ寅さんの姿がある。
泣き笑いともいうべき微笑を刷いたその顔は、風雪に打たれ、研磨された野地蔵のような趣があった。
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[台詞]
見回ってきた車掌[間寛平]が声を掛ける。
「もしもし、お客さん終点ですよ、もしもし・・・」と肩に手を掛けちょっと揺さぶる。
それをきっかけに、ゆっくりと上体を横に倒していく寅さん。頭の帽子が床に転がり落ちる。
「お客さん!あれっ、こ・これは・・・」と車掌が大慌てで人を呼びに走る。
不自然な格好で横たわる寅さん以外に、誰もいない静かな車内。空き放しのドアから時折、風の音が聞こえてくる。
窓の外には、赤トンボが群れて飛び交っている。風に流されるように、時に風に逆らうように、また時には、風を楽しむように。

ときまさに、2005年3月2日の20時41分・・・
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【ポスター】 [第40作]

寅次郎 :渥美 清
櫻 :倍賞千恵子
マドンナ:三田佳子
ロケ地 :長野小諸、
長崎島原
**********
初冬の信州小諸、駅で出会ったキクエの家で一晩世話になる寅次郎。
体調が悪いキクエを入院させるために女医の真知子(三田佳子)がやってきた。いつものように一目惚れの寅次郎・・・
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新・四万十川新聞【日曜版】
古新聞=
『ブログフォーカス(四万十川通信)』
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男はつらいよ 第49作 (シナリオ:
幡多山正太郎 挿絵:
久米真未)
■場面(17) 宿毛行き鈍行列車・その2

そして寅さんは腕組みし、自問自答する。一体自分は何のために生きてきたというのだろうか。
初めて真近かに見た悠久の大河四万十川に比べれば、自分の存在は一体何だろう。濁流の中で雄々しく踏みとどまる沈下橋などでは決してない。ひっそりと岸辺に佇む柳の木でもない。まして上流へ上流へとたくましく遡上する鮎でもない。水底に無造作に転がっている石ころの一つだろうか。いやいやそんなに重い存在でさえない。
一番ふさわしく思えるのは流れに浮かんでは瞬間に消える小さな小さな泡沫(うたかた)ではないのか・・・

(ここで、真智子が屋形船に乗る前に、川岸の水面を白魚のごとき指先でかき混ぜた時、ふっと泡が光って見えた景色が蘇った。)
そして次なる思いは・・・その泡沫はポワンと割れたとき、大河の流れに溶けるのだろうか、それとも虚空の大気に飛散していくのだろうか・・・であった。
不思議なことに闇の中に光輝く黄金の泡沫の幻影が現れ、シャボン玉のように次第に浮遊し始めた。列車の車輪のレ-ルの継ぎ目を拾っていた音が次第に遠くなっていく。
宿毛湾の夕陽が美しい・・・美しすぎて、やけに哀しい。
【写真】
うたかた(小谷貞広第5歌集)
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[台詞]
なし ・・・ ん?!。

【写真】四万十川とSL(予土線)
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【ポスター】 [第39作]

寅次郎 :渥美 清
櫻 :倍賞千恵子
マドンナ:秋吉久美子
ロケ地 :奈良吉野山、
三重伊勢志摩
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急死した仲間の子供との旅先で、その子が急病で倒れる。
子供を扱いなれない寅次郎はうろたえるが、隣室の隆子(秋吉久美子)に助けられ、翌朝は仲睦まじく近くの観光名所などをめぐる三人・・・
○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o
新・四万十川新聞【日曜版】
古新聞=
『ブログフォーカス(四万十川通信)』
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男はつらいよ 第49作 (シナリオ:
幡多山正太郎 挿絵:
久米真未)
■場面(17) 宿毛行き鈍行列車・その1

進行方向右側、後ろ向きに座った寅さんが、今四万十川を渡ろうとする列車(くろしお鉄道)の窓から、河川敷を見つめる。
例によって、サッカーの練習をする子供たちの姿があった。
練習場近くのベンチには、遠目にもわかる、あの真智子の白い日傘があった。そしてその傍らにはあの若い衆の姿があったのである。二人の間の距離は日傘のせいばかりでなく、近かった。
あの事件をきっかけに急速に打ち解けたものだろうか。そして、さっそく二人して、束の間のデートをしているのであろうか。これだけ公然と衆人環視のもとデートをするところを見ると、必ずしもこの想像は当たらずとも遠からずであろう・・・。

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[台詞]
寅「あいつ、大丈夫かな。サラダばっかりのオカズじゃ先が思いやられるぜ。」と微笑を浮かべ、にわかキュ-ピッド役は何とか果たせたかな、とかすかな充実感を感じる寅さんであった。
そして31文字どころか、たったの2文字「好き」が言えなくて、縁が消えてしまった自分のこれまでの恋を振り返る寅さんの心には寂静感もあった。
やがて列車は四万十川を渡り切り、具同の街並みを左に見たあと、中筋川の育んだ平野部や山すそをのんびりと走る。
寅さんは遠くの山々や川、神社、田んぼの農作業の人々に目をやりながら、かっての出会いで、淡い恋心を一方的に抱いた、あるいは熱き思いで、もう一歩踏み込んで、こちらが意志表示すれば一緒になれたかもしれない女性達の姿を、窓ガラスに次々と思い浮かべた。
「冬子[光本幸子]、志津[新玉三千代]、歌子[吉永小百合]、千代[八千草薫]、真知子[三田佳子]、リリー[浅岡ルリ子]、久美子・りん子[竹下恵子]、・・・・」
やさしい笑顔が、走馬灯のように現れては去っていった。なかでも歌子[吉永小百合]の残像は長かった。
そして、甘くほろ苦い思いで胸が一杯になり、寅さんは下を向き、目をつぶってしまった。
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【ポスター】 [第38作]

寅次郎 :渥美 清
櫻 :倍賞千恵子
マドンナ:竹下景子
ロケ地 :北海道知床
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初夏の北海道知床を旅する寅次郎。
そこで無骨な獣医が運転する車に乗せてもらったのが縁で、居候を始める。そんなある日、獣医の娘・りん子(竹下景子)が戻ってきた・・・
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新・四万十川新聞【日曜版】
古新聞=
『ブログフォーカス(四万十川通信)』
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男はつらいよ 第49作 (シナリオ:
幡多山正太郎 挿絵:
久米真未)
■場面(16) 中村駅近くの路上

トランクを下げて駅に向かう寅さんの姿がある。市役所の前は通ったものの、結局、真智子に声を掛ける気にはならなかった寅さん。
やがて乳母車で行商をするあのおばあさん[樹木稀林]の姿を路上に見つけた。近所の主婦数人が干物などを買い上げたところに寅さんは近づき声を掛ける。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[台詞]
寅「よう、ばあさん景気はよさそうじゃないか。」
「ありゃ、あんたかね。あんたの方こそ商売はどうじゃったぞね。」
寅「上々よ、宿に毛はついて来るしよ。」
「・・ほう、あんたがそういう人とは思わざったが・・・」
寅「そういう人て、どういう人だい、へへ・・・。毛を見てせざるは、勇なきなりていうじゃないか、ふふ。」と余裕を持って、非難らしき言葉をかわす。
そしてやおら、
寅「冗談に決まっているじゃないか。じゃあ、ばあさん達者でな、あばよ。」
「ああ、あんたも元気でなぁ。」
見送るばあさんはつぶやく。
「冗談を言っているようには見えんけど、それほど、おなごにもてる男とも思えんし・・・、不思議な男じゃのうし、あたしの死んだ亭主[谷幹一]に、感じがよう似いちゅう。まあ、あの人は浮気は、ようせざったが・・・」と人物評をする。
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【ポスター】 [第37作]

寅次郎 :渥美 清
櫻 :倍賞千恵子
マドンナ:志穂美悦子
ロケ地 :福岡筑豊
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ひいきにしていた旅芸人一座の座長の訃報を聞いた寅次郎は、娘・美保(志穂美悦子)を訪ね、励ました。
しばらくして、美保が柴又を訪ねて来るのだが・・・
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新・四万十川新聞【日曜版】
古新聞=
『ブログフォーカス(四万十川通信)』
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男はつらいよ 第49作 (シナリオ:
幡多山正太郎 挿絵:
久米真未)
■場面(15) 旅館での朝食風景

夕べの慌しいバタバタ劇で疲れを見せ、元気のない寅さんが、朝ご飯を食べようとしている。
女将の差し出した飯茶碗のごはんに箸をつけようとして、寅さんは1本の髪の毛の混入に気がついた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[台詞]
寅「女将さん、悪いけど飯に毛が入ってるぜ。」と茶碗を見せる。
「いやちゃ、これは、ごめんなさいね。すぐ替えますけんね。」とやや慌て気味。
寅さんそこでふと思い出したことがある。これはまさしく「宿の毛」じゃないか!あの行商のばあさんの言ったとおりになりやがったか・・・と心の中でつぶやき、ふふふと笑う寅さん。
女将さんは新たに入れなおした茶碗を寅さんに差し出しながら恐縮して寅さんを眺めるのであった。それに対し・・・
寅「まあ、茶柱みたいなもんだよな。」と女将に優しく言う。
「まあ、茶柱ですか。茶目っ気のある面白い洒落ですこと。」と応じる。
寅「なんならその毛をこのお守り袋へ入れておいてもいいんだぜ。」と胸の守り袋をつまんで見せる。
「まあそれは・・・おほほほ」と、さすがにそれには応じない。
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【ポスター】 [第36作]

寅次郎 :渥美 清
櫻 :倍賞千恵子
マドンナ:栗原小巻
ロケ地 :東京伊豆七島
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伊豆七島行きの船に乗り込む寅次郎。
式根島に降りた寅次郎の前に、小学生で先生をする真知子(栗原小巻)が現れる・・・
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新・四万十川新聞【日曜版】
古新聞=
『ブログフォーカス(四万十川通信)』
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男はつらいよ 第49作 (シナリオ:
幡多山正太郎 挿絵:
久米真未)
■場面(14) 一条神社境内の鳥居付近・その3

まずは見栄ゆえの盗歌の反省開始で悄然と立つ寅さんに、通りかかったちいさな女の子が声を掛ける。この前図書館で会ったあの子だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[台詞]
「あっ、おんちゃん。振られたみたいな顔をしちゅうねぇ。どういたが・・・」
幼稚園児にも分かるような寅さんの落胆ぶりは、盗歌反省だけでなくとんびに油揚げをさらわれたようなやるせなさだけでもなく、実は自分を旅の詩人と真智子に見られている心の負担がかなりの重みを占めていた。
自分への好意と思っているものの正体を真智子自身の口から語られると、どうしても違和感と息苦しさを持ってしまう寅さんであった。
寅「おいらはそんな高尚な人間でも、何でもない。定職も持たない、ただの風来坊なんだ。自分の始末もろくに出来ない、ふがいないフーテン野郎なんだ。」と、自己卑下の権化となってしまった。
それでも目前の商売に心をやっと取り戻し、
寅「お嬢ちゃん、なま言っちゃって。おいら振られたんじゃなくて、今恋を知ったんだぜ」と気を取り直す。
「ふーん、このおもちゃ、ちょうだい。」
寅「あいよ。」と、子供に合わせて明るく応じる。
「おじちゃん、恋ってなあに。」と、こましゃくれたことを聞く。
寅「そりゃね、砂糖のように甘くて、塩のように辛いもんだよ。」と、やさしく講釈する。われながらうまい表現だと、寅さんは思った。
「ふーん、あたし良くわかんなーい。」と、おつりを受け取る。
寅「おじちゃんだって今知ったくらいだよ。」
「おんちゃん、それって遅すぎない。」
寅「あは そうだねぇ ふふふ・・・・」と、切なく応じ、力なく笑う。
この子は年端も行かぬのに鋭いところを結構突いて来やがると思う寅さん。そこへ同じ年恰好の男の子が通りかかり、
「ここにおった!やっと見つけた。蘭ちゃん、綿菓子を買いに行こう!」
「あっ、けんちゃん。はーい、じゃあ、おじちゃん。バイバイ。」と、二人は仲良く手をつないで駆けて行った。
子供が去ったあと、寅さんはあの年頃の自分は、ちょうど妹さくらの手を引いて近所の駄菓子屋へ走っていたんだなぁと唐突に思い出してしまった。
そして大酒飲みの父親との不和に悩み、不安で寂しい少年時代を反抗的にもたくましく生き抜いて来た自信が、じわっと体の底から湧いてきた。
寅「さあさ、寄ってらっしゃい。見てらっしゃい。一条神社始まって以来の珍しい品物がたっぷりだよ。よっ、そこのお姉ちゃん・・・」と、威勢良く商売の声が、一条候縁の藤棚あたりに響き始めた。
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【ポスター】 [第35作]

寅次郎 :渥美 清
櫻 :倍賞千恵子
マドンナ:樋口可南子
ロケ地 :秋田鹿角、
長崎五島列島
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五島列島の漁師町を旅する寅次郎は、知り合った老婦人の臨終に立ち会うことに。
葬儀に参列していると、東京に住む孫娘の若菜(樋口可南子)が現れた・・・
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新・四万十川新聞【日曜版】
古新聞=
『ブログフォーカス(四万十川通信)』
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男はつらいよ 第49作 (シナリオ:
幡多山正太郎 挿絵:
久米真未)
■場面(14) 一条神社境内の鳥居付近・その2

そこへ、人ごみの中から、やっと若い衆の姿が・・・
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[台詞]
「あっ、真智子さんじゃないですか!」と、ちょっと演技ぽいが打ち合わせどおり偶然を装って登場する。
「あらっ・・・」
「どうもその節は、変な手紙を出してすみませんでしたね。」と、頭を下げる。
「いいえ、私の方こそ失礼しました。」と、あまり拘りを見せてない風。
そこでやっと、心の応急修理を何とか終わった寅さんが、若い衆に目で忙しく合図を送る。
「ま・真智子さん。僕が最近作った短歌を、聞いてください。僕の思いを込めた短歌です。」と、唐突に言う。
「あら、あなたが短歌を作ったの? ぜひ聞かせて。」
「はい、聞いてください。な・な・夏の野の、茂みに咲ける白百合の知らえぬ恋は、苦しきものを・・」と、どもりながらも何とか詠み上げた。
寅さん、自分の緊張をやっと解いてにわか弟子に目を細め、ふんふんとうなずく。
「あら、その歌は、私の大好きな坂上郎女(さかのうえいらつめ)の歌ですよ。たしか万葉集に出てくる歌の一つ・・ あなたは自分で作ったとおっしゃったけど・・・」と、笑っていたずらっぽく咎める目をする。
「えっ、それは・・」と、絶句し、救いを求めて寅さんの方を見る。
これは真智子の古典文学に対する見識の深さを見誤っていた寅さんの明らかな作戦ミスであった。寅さん自身も、かなりのダブルパンチの動揺を見せ慌てた。
やがて寅さんはやおら頭に巻いていた鉢巻をほどき、
寅「すまねえ、おいらが悪かった。実は昨日図書館の本の中でおいらが見つけた短歌なんだ。この若いしに、さも自分で作り出したという風に、つい見栄で言っちまった。悪かったなあ・・・。真智子さん、こいつはおいらの悪ふざけだ。謝るぜ。許してくんな。」と率直に二人に頭を下げる寅さんであった。
「何だ そうだったんですか、ふふふ。でも私の大好きな歌を探し当てるなんて寅さんはさすがすごいわ。」とちゃんとフォローしてくれる。
「じゃあ、許してくれるん・・ですね。」と寅さん、若い衆が同時に発声。双方見つめる。
「はーい。でもその代わり、谷口のお寿司でも奢ってもらおうかしら。」と、思いがけない提案。
「ええ、ええ、お安い御用です。じゃあ寅さん。僕らはこれで・・・」とあっさり、立ち去ろうとする。寅さんの信用度は落ちたが、結果的には良い方向へ転がり始めたか。
「じゃあ寅さん、また短歌のお話をしましょうね。連絡くださいね。約束ですよ。」と、なごり惜しそうに振り返る。自由を限りなく愛する漂泊の詩人を見つめる目。
寅「あっ、短歌ね。うん、またね・・・」と、目を合わせたが、心の負い目がそれ以上の発言を封じてしまった。若い衆がしばらくして振り返り、さりげなく指でOKマ-クを作った。
寅「あ~、いっちまいやがったか・・・」と、寂しく見送る寅さん。
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【ポスター】 [第34作]

寅次郎 :渥美 清
櫻 :倍賞千恵子
マドンナ:大原麗子
ロケ地 :鹿児島枕崎、
茨城牛久沼
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旅から帰った寅次郎。
上野駅近くの焼鳥屋で証券マンと知り合う。
意気投合した寅次郎、家まで押しかけ、妻・ふじ子(大原麗子)と出会う・・・
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新・四万十川新聞【日曜版】
古新聞=
『ブログフォーカス(四万十川通信)』
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男はつらいよ 第49作 (シナリオ:
幡多山正太郎 挿絵:
久米真未)
■場面(14) 一条神社境内の鳥居付近・その1

一条祭り。神社境内の鳥居付近。
あたりは暗くなってきたが提灯の明かりで夜目は利く。多少暗くなってもお参りに来る老若男女はひっきりなしである。
寅さんに電話で呼び出された真智子が浴衣姿で寅さんと屋台の前で話している。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[台詞]
寅「わざわざ呼び出してすまなかったねぇ。この神社の由来を商売で使えないかと急に知っておきたくなってね。あんたに、頼ったわけよ。」
「そんなことでしたらお安い御用ですよ。」と、すらすらと由来を話し始める。寅さんはやや落ち着きなく、時々周囲に目を泳がし、若い衆の姿を捜す。
寅「あの野郎。さっさと来やがれ。」とイラレて思わずつぶやく。
「えっ、何ですか?」と、話を中断して聞きとがめる。
寅「いやいや、独り言ですよ。真智子さん。」と、ごまかして、何とか注意を集中する。
やがて一条神社の由来話が一段落し、やおら真面目な顔をした真智子が、意を決したように話し始めた。
「寅さん、私正直に言いますと、赤鉄橋のところで初めてお会いしたとき、寅さんの後ろ姿に、旅の歌人といわれた西行法師や、同じく旅の俳人と言われた種田山頭火を偲ばせるような存在感を感じたのです。いわば自由のために一切のしがらみを捨てて、漂泊の旅を続ける永遠の詩人の姿を重ね合わせたんです。そういう自由人に、私は憧れます。」
寅「・・・・」こうした芸術家的な見方をされていることは、くすぐったさよりも大きな大きな重荷であった。寅さんの顔は、凍りつくように硬直してしまった。やっと出てきた言葉も・・・
寅「お嬢さん、それは・・あっしみたいな根無し草は、そのツクツク法師でもなければ、三等賞でもありませんや・・・」と、言いよどんで後が出てこない。
西行や山頭火の名前も初耳で、少なくとも歌人、俳人ということは前後から辛うじてわかるが、一体いつ頃の人間か、どんな生き様を送ったのか、見当もつかない寅さんであった。
大混乱に陥った寅さんを憧憬の眼差しで真智子がじっと見つめる。
膠着にちかい、石のお地蔵さんのような硬直状態がしばし続いた。
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【ポスター】 [第33作]

寅次郎 : 渥美 清
櫻 : 倍賞千恵子
マドンナ: 中原理恵
ロケ地 : 北海道根室
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北海道は釧路の旅の空。
知り合ったフーテンの風子(中原理恵)と意気投合する寅次郎。風子は理容師なのだがどこでも長続きしない・・・
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新・四万十川新聞【日曜版】
古新聞=
『ブログフォーカス(四万十川通信)』
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男はつらいよ 第49作 (シナリオ:
幡多山正太郎 挿絵:
久米真未)
■場面(13) 旅館の2階

寅さんの泊まっている旅館の2階の部屋に、昨日の居酒屋の若い衆が寅さんを訪問している。人生が掛かっているとばかり必死の面持ち。夕べの酔っている時とは違って緊張感が漂っている。
窓の敷居にタオルの鉢巻姿で、いなせに足を組み座っている寅さん。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[台詞]
「寅さん、いや師匠。どんな短歌でいきましょうか?」とメモ帳を出す。
寅「おらよう、あれからおめえさんと別れて、じっくりと今まで考えたんだぜ。」と、勿体と格好をつけて、やおら腹巻からしわくちゃのメモ用紙を出して読み上げる。
寅「夏の野の茂みに咲ける白百合の知らえぬ恋は苦しきものを・・・・どうでい、若いしいいだろう。」とメモを手渡す。
「こりゃいい! ぼくの思いそのもんじゃ。」と、うれしそうに賞賛する。
寅 「よし、じゃあこれからの段取り、だがよ。手紙じゃなくて本人を前に、直接この短歌を詠み上げるんだ。」と誉められて、機嫌よくけしかける。
「ええっ! 手紙でなく本人を前にしてですか・・・」
寅「そうよ、どんな反応を示すかどうか、一発でわかるってもんよ。いいかい、相手はいわば短歌のセミプロなんだからな、しかもおまえさん、もうすでに一回振られているんだから、格好つけずに、一発勝負でいけ!」と、この恋の行方を早く知りたがる風。
応援かそれとも早く振られてしまえと思っているのか、まだまだ真智子への思いは捨てきれてないのか寅さん。
「じゃあ、そうしてみます。」
寅「よしっ、てもんよ。これからの準備だけどよ。祭りの当日においらが一条さんの鳥居の下に店を出してっからよ、そこへ真智子を呼び出して、話をしてるからよ、おめえさん、偶然そこへ通りかかった風で、(真智子さん、僕の思いを歌にしてみました。聞いてください)って、それを詠んでみろ、おれが介錯人、じゃなかった立会人を務めて見届けてやるからな。いいな、わかったな。」
「はい、わかりました!」と、素直に応じる。
しかしそれにしても「介錯人」なんて言葉がどうして出てくるのか?一途に思い詰めている青年の目をみると、自分にもこうしたひたむきさはあったのかな、と自らを振り返る寅さんであった。
恋の指南役らしきものとして、百戦練磨を装うが、本当はプラトニックな、むしろ一方的な片恋で終わるパターンがあまりにも多すぎた。坂道を駆け上ったり、転げ落ちたりの、自らの過去に比しても、この青年の、一歩、一歩地道に階段を登りつめるような『真面目な一途さ』を愛する気になった寅さんであった。
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【ポスター】 [第32作]

寅次郎 : 渥美 清
櫻 : 倍賞千恵子
マドンナ: 竹下景子
ロケ地 : 岡山高梁、
広島因島
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岡山県高梁の寺に立ち寄った寅次郎。そこで和尚とその娘朋子(竹下景子)と知り合う。
和尚と意気投合し酒を酌み交わす寅次郎。二日酔いの和尚に代わって寅次郎が法事に行くことになる・・・
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新・四万十川新聞【日曜版】
古新聞=
『ブログフォーカス(四万十川通信)』
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男はつらいよ 第49作 (シナリオ:
幡多山正太郎 挿絵:
久米真未)
■場面(12) 四万十市立図書館・その2
図書館の室内。

テ-ブルに座り、万葉集のペ-ジをパラパラと小難しい顔をしてめくる寅さんの姿がある。
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[台詞]
寅「よし! これだ、これにしょう。」と、やおらメモを取る。
「なんだなんだ、夏の野の茂みに咲ける白百合の知らえぬ恋は苦しきものを、と来たもんだ。あいつの思いもまあこんなもんだろう。」とつぶやく。
それは、ひっそりと片思いの恋心を詠った女流歌人の歌であったが、知らず知らずの内に自らの思いも反映していたようだが、寅さんはそこまでは、はっきりとは意識していない・・・。
そこへ、幼稚園児くらいの小さな女の子が、物怖じせずに近寄ってきて寅さんに話し掛ける。変わった帽子をかぶり、異相の服装はやはり小さな女の子の好奇心をも刺激したものと見える。
「おんちゃん 何を書きゆうが。」
寅「これはね、好きな人に気持ちを伝える言葉を書いてんだよ。」
「じゃあラブレターね。」
寅「うーん、まあそうだねぇ。」
「あたし、もらったことあるよ。けんちゃんから。」
寅「えっ、そりゃすごいじゃないか。」と、侮れない風に、一応は見ておいて「で、けんちゃんはなんて書いてあったんだい。」と、真面目に聞く。
「秘密! 教えてあげない。おかあさんにも話してないんだから。」
寅「へへへ、まさか、大人になったら結婚しようなんて・・」と、茶化した途端、
「えー、 おじさん、どうしてわかったのー。」と、まさかの反応。
寅さんさすがに唖然として少女を見つめるのみ・・・。ナイーブになっているところへ、このやり取りはちょっと効いた。(子どもは、元気が一番!)
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【ポスター】 [第31作]

寅次郎 : 渥美 清
櫻 : 倍賞千恵子
マドンナ: 都はるみ
ロケ地 : 新潟佐渡島、
北海道羊蹄山
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新潟の港で出会った女性と漁船で佐渡島に渡ることになった寅次郎。
何かに思い悩む女性、実は公演の途中で失踪した演歌の女王・京はるみ、だった・・・
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新・四万十川新聞【日曜版】
古新聞=
『ブログフォーカス(四万十川通信)』
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男はつらいよ 第49作 (シナリオ:
幡多山正太郎 挿絵:
久米真未)
■場面(12) 四万十市立図書館・その1

四万十市立図書館の受付窓口。
にわかに若い衆に、短歌を指導するはめになった寅さんが旅館で必死に考え、寝入りばなになって、やっと思いついた作戦は、地元図書館で条件に見合う短歌を探し出すアイデアであった。
地元の市立図書館を捜しだして、寅さんが館内に入り、受け付けに相談するシ-ン。
【写真】四万十市立図書館
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[台詞]
寅「よう、ねえちゃん。短歌の本あるかい。」
「はい、古くは古今和歌集とか、新しいものでは現代短歌集とかいろいろありますが、どういう系統分野でしょうか。」
寅「恋の歌がいいね。その情熱を思い切りぶつけるような感じのよう。古い時代の方がいいかな。」
「それでしたら、万葉集なんかがよろしいかも知れません。こちらへどうぞ。」と、書籍コーナーに案内する。寅さんの見かけ風貌と万葉集のミスマッチが彼女の微笑を呼んでいる模様。
寅「万葉なんて居酒屋みたいな名前だねぇ。酒飲みの詠んだ歌ばっかりじゃないのかい。」と、茶化して余計に笑いを呼ぶ。

【写真】幡多図書館(四万十市立図書館の前身)
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【ポスター】 [第30作]

寅次郎 :渥美 清
櫻 :倍賞千恵子
マドンナ:田中祐子
ロケ地 :大分県
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東京でデパートに勤める蛍子(田中祐子)、同じく東京の動物園で働く三郎、そして寅次郎は、大分。
湯ノ平温泉で同じ旅館に泊まり合わせた・・・
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新・四万十川新聞【日曜版】
古新聞=
『ブログフォーカス(四万十川通信)』
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男はつらいよ 第49作 (シナリオ:
幡多山正太郎 挿絵:
久米真未)
■場面(11) 居酒屋「ちか」・その2

味劇場「ちか」の風景。
玄関。土佐弁に混じり、寅さんの威勢の良い江戸っ子弁も聞こえる・・・。
宴会場。寅さん持ち前の気っぷの良さで座敷へ上がりこんで、マイペースに持ち込んだ。
数分後には職業上の、粋な台詞が飛び始めて、ほぼ独壇場。寅さんDに向かい、鷹揚に・・・
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[台詞]
寅「若いしよ、短歌というものは31文字。この短い中に魂を込めなけきゃダメなんだぜ、でもよ、相手の心を打つような歌は、そうそう簡単に出来るものじゃないんだぜ。」と、知ったかぶり。
「よっしゃー、みんな、その話をじっくり聞こうじゃないか。おんちゃん、そこへ、まあ座りや。大将よう、酒を3本ばあ持って来てや。皆、よう聞いちょけよ!」
寅「見上げたもんだよ、屋根屋のふんどし、粋なねえちゃん、立ちションベン、結構毛だらけ猫灰だらけ・・・」と、例の香具師の口上を、意図的に短歌の代替えフレ-ズとしてすっかり溶け込み盛り上がった。
宴半ばにして、Dが酔眼ながら寅さんに自分の決断を打ち明ける。
「ぼかあ、もう一回真智子さんに思いを打ち明けてみる。そこで短歌を、指導してもらえんろうか、寅先輩!」
寅さん酔った勢いで、
寅「よし、やってみろやい。おいらが短歌の指導もしてやるぜ。ついでに電話して、真智子を呼び出してやっからよ。真智子と話してみるかい。」と、個人的な親しさを誇張してやたら、力み気味。今日知り合ったばかりの仲と言ったかどうかは定かではない。
「そうと決まれば明日泊まっている宿屋にうかがいますけんど。」
寅「おう、よっしゃ。」と、威勢よく返事をしてしまった寅さん。ほんの数瞬後、「しまった!」という表情を顔に出そうとするがこらえてしまって、顔が歪んでしまう。
自らの真智子に対する好意を無視して世話をする矛盾と、短歌のにわか師匠が務まるかどうかの不安が、酔いの頭にも交錯、にわかに赤色信号が点滅したのである。これはアカメの赤い目の話を聞いたせいではなかった。
寅「あのさ、若いし。旅館にくるの、午後にしてくれねえか。」と、やや苦しい表情で注文を付ける。心の整理と対応策考案には少なくとも半日くらいは必要と判断したらしい。酔いの中でもちょっとは理性が残っている。
やがて、割り勘を済ませ、細かい約束を詰め、グループと分かれ、旅館に帰った寅さん、一風呂浴びたが・・・、なかなか寝付かれなかった。
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【ポスター】 [第29作]

寅次郎 : 渥美 清
櫻 : 倍賞千恵子
マドンナ: いしだあゆみ
ロケ地 : 京都丹後半島
長野・神奈川
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京都葵祭りで高名な陶芸家と知り合い一夜の世話になる。
そこには、かがり(いしだあゆみ)が働いていた・・・
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新・四万十川新聞【日曜版】
古新聞=
『ブログフォーカス(四万十川通信)』
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男はつらいよ 第49作 (シナリオ:
幡多山正太郎 挿絵:
久米真未)
■場面(11) 居酒屋「ちか」・その1
中村の夜の飲食店街。
家庭的な雰囲気の居酒屋「ちか」のカウンターで大将夫婦を相手に与太話をし、酒を独酌する寅さんの姿がある。
少し離れた座敷席では、男だけのグループ1組4人が、わいわい話しながらビールと酒を飲んでいる。どうやら好みの女性談義に熱が入っている風。

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[台詞]
寅「大将、そのアカメてのは、そんなに目が赤いのかい?」
「はい、車のテ-ルランプみたいに赤く光っているんですよ。幻の大魚と言われて大きいものは、1mを越えますけんど、身はまずくて地元のものは食いませんがね・・・。」と、幡多弁風標準語で解説する。
寅「そりゃおもしれえ、しかし、何だって赤い目になったのかねぇ。」
「大方恋に破れて 泣きはらしたんじゃないでしょうかね。」と、とぼける。
寅「大将!、気に入ったぜ。おいら江戸っ子よ、そういう洒落た話は大好きよ、まあ、一杯やりな!」と、カウンタ-内の亭主に酒をさす。
寅「だけどな大将、義理と人情に生きる俺たち渡世人はよう、やたら涙なんて流しちゃあいけねえんだぜ。そこが渡世人の、辛いところよ。」と伝法なことも言って聞かせる。そして都都逸風にうなる。
『恋をなくした、アカメちゃん、流した涙はどこへいく、竜宮城へは亀がゆく、太郎はじいちゃんになりました、と来たもんだ・・・』と、絶好調の酔い具合。
ここで、なぜか、別のテーブルで飲んでいた、昼間のサッカーの監督の顔がアップで写り、カメラが引くと、例の「男だけの4人グル-プ」の女性談義も佳境に入った模様:
A「おらは、中山美穂がえい。」
B「ぼかあ、深田恭子がえい。」
C「わしぁは、やっぱり吉永小百合じゃのう。」
A「サユリストの社長の話がまた始まった。けんど小百合も、もう60過ぎですろう。」
C「還暦を過ぎようと、ワシにとっちゃ永遠のマドンナよ。おまんら、若いしには、あの気高さはわからんろうのう。地上に舞いおりた最後の天使よ。わしは今でも胸がときめく。」
A「奥さんに言うちゃろ。」
C「とっくに公認じゃ。」
B「それってやっぱり、精神的な不貞じゃないですか。」
C「やかましい!」
そこまで下向きに、じっと考え込んでいた20歳代後半の若い男D[伊藤英明]が、
D「ぼかぁ、やっぱり、市役所の真智子がえい。」と、唐突に、芸能界ではない女性の名前を挙げた。かなりの酔いから、つい本音が出たか。
一同「おおっ、おんしゃ、まだ諦めてないがか。」と、口々に冷やかす風。一同この男の恋のいきさつを知っているものと見える。
寅さんは、当然この名前を聞くや、さっと立ち上がり、男たちのテ-ブルの縁へ移動。手には銚子と盃を持っている。
寅「よう兄ちゃんたち、その真智子て、木俵真智子さんのことかい。」と、問いかける。
「そうじゃけんど、オンちゃんは真智子さんとどういう関係ぜよ。」と、突然の乱入にやや、いぶかしげ。他の3人も似たような受け止め表情。
寅「ん、おれか。おれは真智子さん、うんにゃ真智子とは、短歌を詠みあう仲よ。」
「おんちゃん、短歌をやるかよ。あの真智子と短歌を張り合うとは、只者じゃないねぇ。大したもんじゃ。まあ座りや。」と、受け入れ体制は整っていった。
D「ぼかぁ、あの真智子さんに前にラブレタ-を出して、振られたことがあるがよ。気の利いた短歌を書き添えちょったら、今ごろは、僕の嫁さんになっちょったかも知れんけんど・・・」と、自らの才能不足を嘆く風。酒が謙虚さと併せて愚痴も呼んだか・・。
寅「そうかいそうかい、振られたのかい。それも気の利いた短歌一つが出来なかったせいか、というのかい。」と、いっぱしの歌詠みを装う。
C「あの真智子という子は、自分で短歌集を出すばぁ才能があってねぇ。しかも四万十観光大使もやりよって、中村では結構名前も売れちょってねぇ・・・」と、リーダー格のサッカーの監督Cも、真智子に一目置いている風。
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【ポスター】 [第28作]

寅次郎 : 渥美 清
櫻 : 倍賞千恵子
マドンナ: 音無美紀子
ロケ地 : 福岡久留米
静岡焼津
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久留米の神社で商売をしていると、仲間の常三郎の妻・光枝が一人でたこ焼きを焼いている。
聞けば、夫は重い病に伏せっているという・・・
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新・四万十川新聞【日曜版】
古新聞=
『ブログフォーカス(四万十川通信)』
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男はつらいよ 第49作 (シナリオ:
幡多山正太郎 挿絵:
久米真未)
■場面(10) 旅館の玄関先の電話
玄関先でダイヤルして東京柴又の家族に電話をする寅さん。

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[台詞]
寅「おお、さくらか、おれだよ、寅だよ、みんな変わりないか。ん?」
夕食がすんだ後片づけ中の妹さくら[倍賞千恵子]が電話に出て応対。居間にいた他の家族[森川信、三崎千恵子、前田吟]は、「ああ、寅の奴か」との反応でさして関心を示さず。
「お兄ちゃん 今どこにいるの? しばらく連絡がないからみんなで心配してたのよ。」
寅「今よう、お兄ちゃんは、土佐の高知の四万十川て、とこに草鞋を抜いてるんだい。」
「まあ 高知県に?」
寅「それがその宿の毛から、フェリ-で九州に渡るつもりがよう。一条さんて、でかい祭りがあるってことを聞いて、今待機しているところよ。いわば大器晩成ってやつよ。」
「宿の毛ってなあに?」

寅「あれ、おいら宿の毛て言ったのか。そりゃあ、「すくも」と読むんだぜ、 桜。まあ、おまえが知らないのも、無理はないけどよ。・・・ ん?!。」と、ささやかな優越感を味わう風。
「お兄ちゃん、酔っぱらってるみたいね。周りの人に迷惑かけちゃ駄目よ。」
寅「おまえは本当に心配性だな、さくら。じゃあ、電話賃がかかるから、そろそろ切るぜ。」
「お兄ちゃん、体に気を付けてね。お金は大丈夫ね?」
寅「ああ、じゃあ、おいちゃんや、おばちゃん、みんなによろしく伝えてくれよな、あばよ。」
寅さんが「♪ 旅のつばくろ、さびしかないかー ♪」と、機嫌良く歌いながら、いそいそと元の席に還ったら、赤ら顔のおやじさんはすでに囲炉裏端に横になって肘を枕に眠っていた。
女将は食器の後片づけで、台所の流しとテ-ブルの間を忙しく往復し始めた。
少し飲み足りない思いの寅さんは、妹さくらの声を久しぶりに聞いた安心感も働き、中村の夜の街に繰り出すことにした。
赤鉄橋には、大勢の花火見物客が群がっていた・・・
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【ポスター】 [第27作]

寅次郎 : 渥美 清
櫻 : 倍賞千恵子
マドンナ : 松坂慶子
ロケ地 : 大阪天王寺
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東大阪の神社の境内で商売をする寅次郎の前に、芸者姿のふみ(松坂慶子)が現れた。
偶然の巡り合わせに、二人は次第に親しくなり、生駒山へデートに出かける・・・
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◆「男はつらいよ」ポスター展
バーチャル映画第49作『男はつらいよ 寅次郎の「四万十川の大休日」』の完成を記念してポスター展を開催しています。
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・日 時 : 当分の間。
・場 所 : 四万十市天神橋アーケード街。
・主 催 : 四万十川新聞社&四万十川通信社。
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新・四万十川新聞【日曜版】
古新聞=
『ブログフォーカス(四万十川通信)』
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男はつらいよ 第49作 (シナリオ:
幡多山正太郎 挿絵:
久米真未)
■場面(9) 旅館での夕食時
寅さんと老夫婦が食堂で小さな囲炉裏を囲んでいる。他の泊客はなさそう。
囲炉裏には数本の鮎の塩焼きの串刺しが、炭火であぶられて、いい匂いをさせている。寅さんは風呂上がりのステテコ・腹巻き姿でくつろいで、手長エビのフライや、ゴリの佃煮を肴に一杯やりつつ、宿の亭主[常田富士男]、女将を相手に、談笑している。
市役所の真智子の勧めたNHKの四万十川ビデオは、既に見終わっている。
ビデオで紹介されたさまざま漁法に話題が及び、沈下橋を渡って嫁入りをする花嫁談義などがひととおり終わり・・・

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[台詞]
寅「よう、おやじさん。この鮎てのは、前の四万十川で取れたものかい。」
「そうじゃが、昔から言うたら、随分小そうなったのう。」
寅「昔って、いつ頃だい。」
「わしがはたち代じゃき、50年ばあ前のことよ。それこそ湧くばあ太い鮎が川じゅうにおってのう、漁師でのうても、女子供でも手づかみで、ほいほい、なんぼでも取れよったものよ。」と、誇張気味に昔を振り返る。
寅「ふふふ、鮎を取りつつ、嫁さん探しも出来たわけだ。で、かみさんも、四万十川で見つけたのかい。」と、酒の勢いで冷やかす風。
「それよ、妙にけつの格好のえい娘がおると、目をつけてのう。こじゃんと撒き餌をやって、釣り上げたわけよ。」と、亭主。こちらも酒が回り始めたらしく口が軽くなっている。
「いやちゃ。ふふふ・・・」と、女将。これ以上の、亭主の馴れ初め発言を、照れ笑いしながら封じる風。
寅さんそれには構わず、
寅「で、釣った魚に餌はやってんのかい。」と、鮎をかじりながらからかう。
「やりつづけて50年! 見事に太って、このざまよ。」と、かみさんに顎を振る。
寅「そりゃあよう。幸せ太りてやつよ。」と、誠に都合のいいせりふで、かみさんを優しくかばう。
「ふふふ、寅さんは餌をやる女の人は、おらんかね。」と、かばってやったにも関わらずいきなり振ってきた。
寅「おれかい、へへへ、 マドロスさんは港々に愛人がおりって言うけどよ、こちとらは船にや乗らねえ陸(おか)の人間よ。お門違いで、ございますと来たもんだ。」と、洒落ぽく軽くかわす。
「陸といえば、陸惚れってのがあるけんど・・・」と、こちらは皮肉まじりで切り返したが、寅さんはその皮肉が通じたかどうか、
寅「なんせ風来防だからよ、自分の食うオマンマでせい一杯よ。」と付け加える。
「女は巣作りのためというか、一ヶ所に落ち着く生き方がやっぱりえいみたいぞね。」と、今度はしんみり型で切り込んできた。
漂泊・ふうてんの魂を持ち、なかなか一ヶ所に落ち着けない寅さんの性分を見事に見抜いている上での口振りに寅さんはややたじたじ。さすがは永年の接客業で磨いた老女将の眼力は鋭い。
寅「こちとらはよう、若いカモメやツバメじゃあるまいし、せっせと巣づくりするてえのは性にあわねえや。」と、軽くいなす。寅さんこの巣づくりの話で急に古巣を思い出し、
寅「おお、そうだ。東京の妹や、おいちゃんに電話しなきゃ。電話借りるぜ。」と、この場を外して立ち上がる。老いの陰り見せ、旅のつばくろは燕尾服でなく、ステテコ姿で電話口に向かった。
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【ポスター】 [第26作]

寅次郎 : 渥美 清
櫻 : 倍賞千恵子
マドンナ : 伊藤蘭
ロケ地 : 北海道奥尻島
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仲間の墓参りのため奥尻島に渡った寅次郎は、その娘すみれ(伊藤蘭)に出会う。
「東京で働きながら勉強したい」と訴える彼女。寅次郎は「まかせておけ」とばかりに連れ帰る・・・
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新・四万十川新聞【日曜版】
古新聞=
『ブログフォーカス(四万十川通信)』
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男はつらいよ 第49作 (シナリオ:
幡多山正太郎 挿絵:
久米真未)
■場面(8) ひなびた古風な、ある旅館の玄関先・その2
旅館の玄関先で分かれる二人。

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[台詞]
寅「いい子だねぇ~」と、玄関先で遙か後ろ姿が見えなくなるまで見送りながら女将に同意を求める。
「そうですよ。今時珍しく礼儀正しくてやさしい子ですよ。私の遠い親戚筋にあたる子じゃけんど、なかなか気に入った若い衆が居らいでね。まだ独身なんだじゃけんど、あたしの世話した縁談も、なかなか気にいらんでねぇ・・今は短歌が恋人みたいなもんじゃねぇ。」
寅さん『独身・縁談・恋人』のキイワードのたびに、ピクッと眉のあたりが反応を示すが、女将には気づかれないように、さりげなく「ふーん、そうかい、あの子の作ったサラダを一度食ってみたいねぇ。」と、女将が理解できないことを承知で言う。
女将は予想どおりの反応で、「サラダねぇ~」とやや首をかしげながら寅さんを二階の部屋へ案内する。
寅「それが、おいらの記念日になる段取りよ、ときたもんだ。」と一人悦に入る。
浮ついた気持ちのため、階段を踏みはずしそうになる。
偶然の出会いから始まった真智子の職業的サービスを、自分に向けられた好意のようだと単純に誤解した寅さんの小さなつまずきの始まりだった。
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【ポスター】 [第25作]

寅次郎 : 渥美 清
櫻 : 倍賞千恵子
マドンナ : 浅丘ルリ子
ロケ地 : 沖縄、長野軽井沢
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沖縄の基地で唄っていたリリーが急病で入院。
病床から寅次郎宛の手紙で「死ぬ前に一目逢いたい」慌てた寅次郎は、大の苦手の飛行機に飛び乗り・・・
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新・四万十川新聞【日曜版】
古新聞=
『ブログフォーカス(四万十川通信)』
○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o