
【写真】
限界集落/里の秋
<小野秀秋・写真集「自賛他賛」より>
■山村環境社会学序説・その12
学問研究に完成なし。
ただあるは、いかに大きな未完に終わるかである。大きな未完をめざし、また新たな気持ちで社会調査におけるリアリズムとは何かを考え続けていきたいと思う。
最後に限界集落調査のフィールドノートに折々私が書きとめておいた短歌の中から、次の一首をもって、結びとしたい。
伸び伸びる床突き抜けて孟宗の
人去りし廃屋むら絶えし山村
2005年3月1日
雪の舞う津別の寓居・夢想庵にて 大野 晃
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[四万十川百人一首]
■大野晃氏の【
四万十川百人一首】
◆「
四万十川百人一首」が完成!
平成19年3月31日をもって、「四万十川百人一首」が完成しました。
8月に、高知新聞社から短歌写真集として「四万十川百人一首」が刊行されることになりました。ご期待ください。
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四万十通信・・・終わり。
2007年3月31日
菜の花咲く四万十川の寓居・百笑庵にて 山藤花
1、四万十川流域の自然林は、自然林として自然林のまま残します。それをもって「四万十の森」とし、後世に引き継ぎます。

■山には私有財産権があり・・・
憲法で保障されています。現在ある「自然林をそのまま残す」ということについては、所有者に要請はできても、所有者が人工林に変えたいという財産権の使用に対してまでは及びません。
ただし、四万十川流域の森林においては、自然林を人工林に変えることについては、これまで行なってきたような形での支援はしないというスタンスで、施策の再検討が必要です。
また所有者の意志で「自然林をそのまま残す」ことについては何らかの支援策が必要です。
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2、四万十川流域の人工林は、自然の法則性に合致させ、より自然林に近い人工林に誘導します。それをもって「四万十の森」とし、後世に引き継ぎます。
■経済機能を重視する区域と・・・

その他の区域にゾーニングします。いずれの区域の人工林も、適切な施業を実施することにより公益性の高い人工林に誘導することを基本とします。
経済機能を重視する区域は、これまでの施業方法の再検討は必要ですが、産業政策としての従前の支援策をさらに進めるほか、産業政策とは切り離した新たな支援策の可能性等の検討が必要です。
また、その他の区域は、社会資本の整備という観点から、公共的な支援策が必要です。
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3、「四万十の森」は、世界遺産を目指します。

■日本最後の清流四万十川は・・・
世界遺産を目指すべきです。それも自然と文化が融合した複合世界遺産として。
「四万十の森」が四万十川にとって好ましく、ふさわしい姿でなければ、とうてい四万十川は世界遺産たり得ません。
世界遺産の実現は次の世紀になるかも知れませんが、多くの選択肢を後世に残す事が望まれます。
21世紀は、四万十川の世界自然文化遺産への第一歩です。
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[コメント]

【写真】針広混交林
この「四万十の森・宣言」は、2002年1月1日に、高知県中村林業事務所が行ったものです。
その後、2008年11月19日に高知県他が四万十川の支流、黒尊川のみを対象とした「黒尊川流域の人と自然が共存する地域づくり共同宣言」を行いました。
◆
黒尊川流域の人と自然が共生する地域づくり協定(2008.11.19)
また、須崎林業事務所では、平成8年度に四万十川源流域(東津野村/現・津野町)の天狗県有林で、「四万十の森・宣言」に盛り込まれた施業、「人工林を自然林へ近づける、近自然林施業の試み」を行っており、その経緯については、長野大学の大野晃教授(当時は高知大学教授)により、その著書『山村環境社会学序説』に取り上げられました。
◆四万十川流域の環境保全と森林管理(『山村環境社会学序説』より)
(
メルマガ:「四万十通信」235(18.11.22)に掲載。)
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[連載予告] 四万十川博物館(別館/特別展示室)
■特集:限界集落 (大野晃氏)

「四万十の森・宣言」のバックボーンになっているのは、大野晃氏が『四万十川流域の環境保全と森林管理』で述べられている考え方です。
四万十川通信社では、その論文が掲載されている『山村環境社会学序説』(農山漁村文化協会刊)をご紹介します。
大野氏が見た「山村の実像」、「限界集落の今」を、シリーズ化して、四万十川博物館の別館/第5特別展示室にて公開いたします。
◆
メルマガ:「四万十通信」235(18.11.25)に関連記事を掲載。【登録】
男はつらいよ 第49作 (シナリオ:
幡多山正太郎 挿絵:
久米真未)
■場面(1)オープニング アンパンマン列車・その1

晩秋の11月下旬 宿毛(すくも)行き特急南風3号アンパンマン号列車内。
進行方向左側・窓側の席で腕組みし、ウトウトとトレードマークの帽子を目深にかぶってまどろむ寅さんの姿がある。

土佐くろしお鉄道(窪川駅よりJRでなく第3セクター路線となる)の土佐佐賀駅。
発車ベルが鳴る中、寅さん目覚めて前席と窓の外を見れば、この駅で乗車した地味な柄のエプロン、モンペ姿のおばあさん[樹木稀林]が、外に向かって手を振っており、改札口付近では見送る若い親子連れ(母親は[国仲涼子] 子供は5,6才男児)が、こちら方向の動き始めた汽車に大きく手を振っている。
そのおばあさんは、ホームが見えなくなるまで窓から手を振った後、寅さんの前の座席に大きなブリキ製の荷物を横にずらして、「よっこらしょ」と声を出して座る。この行商風のおばあちゃんに、まだ眠そうな顔をした寅さんが退屈しのぎに気さくに話し掛ける。
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[台詞]
寅「よっ、ばあさん、景気はどうだい?」
「近頃は、どこもかしこにもスーパーが増えていかんねえ」と、手ぬぐいで顔の汗をぬぐう。
寅「何を売ってんだい」と、太いベルト帯付きの特性ブリキ缶に目をやる。
「おじゃこやら干物、天然の塩を乳母車へ積んで売りにまわりよらね」
寅「そりゃばあさん、電車賃出して買って来て、売り回っても儲けはないんじゃないのかい」(注:あえて汽車でなく東京風に電車と表現)
「佐賀に嫁に行た娘が安うに手にいれたがを、あたしが地元の中村の街で売りよらね」
寅「ふーん、そうかい、そうかい」と腑に落ちた風。
「まあ、儲けよりもボケ防止よね。連れ合いが3年前に死んでねぇ。4人の子供のうち3番目のあの娘が近へかたずいちゅうけんど、他の子は全部県外に出ていてしもうて・・・本当は孫の顔を毎週見に佐賀へいくが楽しみでねえ」と、寅さんの気さくさのためか、はたまた話好きのためか、問わず語りに家庭の事情までをあれこれ話す。
寅「孫か・・・」と、寅さん小さくつぶやき、遠くを見るような表情を浮かべる。
「兄さんはもうえいお年に見えるが、お孫さんは何人ばあ、おるぞね」
寅さんやや慌て気味に、ヒラヒラと手を横に振りながら
寅「おらよ、年から年中旅ガラスでよ、その嫁を貰う間がなくてよ、孫までまだ手が廻らないんだよ」
「おや、そうかね、悪いことを聞いたねぇ。ごめんよ」
寅「いいってことよ。で、さっきのホ-ムで、ばあさんを見送ってたのが娘さんと、お孫さんってわけだ。かわいい娘っ子と孫じゃねえか。」
「ああ、そうじゃのうし、一緒に住めばえいにと、娘夫婦も言うてくれるけんどねえ・・」
寅「そうすりあ、いいじゃねえか、一人暮らしは何かと不便だろう」
「あたしも元気なうちはねぇ・・・」と後は曖昧にぼかす言い方。
「ところで兄さん、あんたはなんの商売をしゆうがぞね。東京の人みたいに垢抜けしちゅうが」と、逆に聞く。
寅さん『東京の人』、『垢抜け』の言葉にくすぐられた反応を示し、着古した茶色のジャケットの両襟を気障っぽく指で挟みながら、上体をちょいと前に傾けて
寅「おらはよ、全国を股にかける香具師(てきや)てやつでよ、バナナやら生活用品、それから子供のおもちゃとかをよ、日本国中の祭りとか縁日を追いかけ回して売ってんだい」
「ふーんバナナに子供のおもちゃかね、あんまり儲かりそうにない物ばっかりじゃねぇ」と、ばあさんがさっきの仇を討ったような、ヤシべるようなモノの言い方・・・。寅さんやや憮然として、
寅「ばあさんに言われたくないねぇ、こちとらはよう江戸前の気っぷの良さも、一緒に、売ってんだい」と、歯切れ良く虚勢で胸を張る風。
ばあさん「気っぷねぇ~」スーパーと張り合って厳しく商売している関係上、この付加価値説には納得がいかない面持ち。
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【ポスター】 [第12作]

寅次郎 : 渥美 清
櫻 : 倍賞千恵子
マドンナ : 岸恵子
ロケ地 : 熊本天草
阿蘇・別府
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幼なじみの柳文彦に合う。
何十年ぶりかの再会に話は大いにはずみ、連れて行かれた妹・りつ子の家で、彼女が描いた絵にいたづら書きをしてしまう。
画家を職業としているりつ子、作品を台無しにされ・・・
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新・四万十川新聞【日曜版】
古新聞=
『ブログフォーカス(四万十川通信)』
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■ゴルゴ13の墓を四万十川に・・・(
幡多山正太郎・作)
(
不破川愚童斎・画)
【おまけ】
◆鼎談:新聞小説(ゴルゴ13シリーズ)の連載を終えて・・・
(作:幡多山正太郎、画:不破川愚童斎、編集:山藤花)
(山藤花)

13回に分けて配信した「G13の墓を四万十へ」は、好評のうちにこのたび終了しましたが、長期間にわたる連載と挿絵、お疲れ様でした。
(幡多山)
冗談代わりに書き散らした駄文をわざわざ取り上げていただき、四万十新聞社主の四万十太郎さんと、四万十川新聞【日曜版】編集長の山藤花さんには感謝しています。
(山藤花)
知人の不破川さんにも突然の挿絵の依頼をして巻き込み、毎回ユニ-クなG13の日常の姿、ガンアクションシーンなどの挿絵を併せて楽しませていただきました。
(不破川)

一コママンガを新聞小説の挿絵にするジャンルは初めての試みでしたが、本家のG13をかなりパロディ化して、下手なりに自分も遊び心を出すことができました。
幡多山さんには悪かったが、本文内容を離れすぎて、ジョ-ク性、絵の独立性を強くしすぎたと反省しています。文章を食ってしまった挿絵も結構あるような・・・。まあ息は合っていましたね。
(幡多山)
ごほん! G13というキャラは、やはりキリスト教と関わりが深いですね。これがイスラム系だと、パロデイ化した漫画は聖者冒涜とみなされ、不破川さんはヒットマンに今頃抹殺されたかもしれなかったね。もしかして、ヒットマンはG13かもね・・・(笑)
(山藤花)
世界中に発信している四万十新聞の発行部数の多さから十分ありえる話ですよ。ところで、G13が最後にどんな死に方をするのかは確かに気になるテ-マですね。
(幡多山)

彼とても老いていくわけだが、Bコミック社が稼ぎ頭としてまだまだ死んでもらっては困ると生かしておきたい気持ちもわかるけどね。
団塊の世代がいつまでも生かしておかないような気がしますね。俺たちがどんどん老いていくのにお前はいつまで現役で元気に働くつもりなんだと嫉妬心も働くんだよ。
(不破川)
古い教会で老シスタ-の腹上じゃなかった膝上死亡説は十分ありえるね。当然懺悔なし。よだれはあり。(笑)
(山藤花)
G13の墓を四万十川へ誘致する企画は、最近稀に見る「唐突なアイデア」と、太郎社主も感想を漏らしていたが・・・。
(幡多山)
本当はずばり「大阪の伊丹十三(ジュウゾウ)」にしたかったのですが、もしかして、幡多の観光資源化になるかも、とちょっと色気が出て強引に四万十川にしてしまった。ご当地サ-ビスというやつですね。
(山藤花)
幡多の地域おこしの企画話がどこかで出た時に、このG13墓誘致を提示してみたいが、どんな反応が予測されるだろうか。
(幡多山)
一笑に付されるのは目に見えているからやめておいた方が良いでしょう。(笑)
(不破川)
マニアックすぎるので、一般人からは決して支持されないと私も思いますよ。
(山藤花)
それではこのあたりで鼎談を終わります。お二人にはご多忙の折、ありがとうございました。
新聞小説(四万十川新聞社)
■ゴルゴ13の墓を四万十川に・・・(
幡多山正太郎・作)
(
不破川愚童斎・画)
ー完ー
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[四万十川新聞社からのお知らせ]
次回の新聞小説(映画バージョン)
■寅次郎の「四万十川の大休日」
男はつらいよ 第49作
(シナリオ:
幡多山正太郎 挿絵:
久米真未)
映画バージョンはここから>>>
新・四万十川新聞【日曜版】

■四万十川百人一首が完成!
2年前、100人の方に、100の四万十川の物語を短歌で語っていただこう・・・という、四万十通信ネットワークの一企画としてスタートした『四万十川百人一首』。
平成19年3月末の橋本大二郎氏(高知県知事)の短歌をもって、100人の100首が揃いました!
◆橋本大二郎氏の【
四万十川百人一首】
四万十川百人一首(ウェブリブログ版)
編纂者注:四万十太郎&花子及び編纂者が特別投稿をしていますので、ウェブリブログ版では103首となっています。
『四万十川百人一首』への応募は、おおむね高知県以外の方が50%、四万十市以外の県内の方が30%、四万十市の方が20%という比率でした。
また、故人で、四万十川に縁のある短歌を遺している7人[土屋文明、橋田東声、北見志保子、吉井勇、山原健二郎、上林暁、大江満雄]については、勿論応募ではなく、編纂者(山藤花)が、その四万十川との縁、関係を精査・執筆しています。
どのような形の「百人一首」になるのかは、まだ未定ですが、高知新聞社から写真・短歌集『四万十川百人一首』として、8月に出版されることが決定しています!
◆
四万十川百人一首(四万十川博物館版)

しかしながら、四万十川が世界自然・文化遺産となり、四万十川の自然と文化を自らのものとして語りたい人は、まだまだ、全国には四万、いや五万といるはずです。
そこで、四万十川新聞社では、まだまだ続く、『四万十川百人一首』の応募に応えて、101人目からは、『四万十人一首』と改題して、新・四万十川百人一首を出発させることになりました。
これまでどおり、応募順に、順次ブログに掲載します。『四万十川百人一首』は、2年で100首の応募があったわけですので、計算上は『四万十人一首』が完成するのは800年後となりますが、四万十川の「人と自然と川」との繋がり4千年、4万年の歴史から比べれば、短いものです。
とは、言うものの、四万十人一首では、あまりにも悠久すぎて、編纂者としては、何とも取り纏めにくいので、点でバラバラになっても困りますが・・・表題に点を入れて『四万・十人一首』とさせていただきます。10人を1単位とすれば、何とか編纂ができそうです。
◆編纂者の【
四万十川百人一首】
*************************
■大募集:『四万・十人一首』

ということで、新たに、『四万・十人一首』を募集することになりました。
今回は、上のようなことから、最終期限も設けませんので、何時でも、何処からでも、どのような方法でも、気楽にご応募下さい。
但し、これまでの『四万十川百人一首』と同様、短歌にまつわる四万十川へのコメントは、是非とも、一緒にお寄せいただきますよう、お願いいたします。
なお、四万十川百人一首を募集した四万十市百笑の「四万十川百人一首をネットにつくろう会」(四万十通信ネットワーク内)は3月31日をもって、発展的解散をしていますので、今回の応募先は四万十市中村の「四万十川新聞社」となります。(山藤花)
【応募先】 〒 787-0022
高知県四万十市中村新町1-10
四万十川新聞社
FAX 0880-34-1967 TEL 0880-34-6000
*四万十川新聞社【メール】
新・四万十川新聞【日曜版】
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(先週のブログ紙面) <4月2日ー4月8日>
■四万十川通信(日刊)
◇
四万十川漫画大会(45作品展示中)
◇
ゴルゴ13の墓を四万十川に・・・【第13回】(最終回)
◇
竜馬が四万十川にゆく・其の7(最終回)
◇
四万十の文芸・春秋 (16編公開中)
◇
四万十川物語(16話まで掲載中)
◇
シンポ&フォーラム(7回のあらまし)
◇
四万十川新聞【日曜版】(全ての古新聞が閲覧可能!)
■四万十川百人一首(週刊・火、金曜日配信)
◇
四万・十人一首?
■四万十川の文化人・小谷貞広(週刊・木曜日配信)
◇
今週はお休み
■四万十通信(ほぼ週刊・不定期)
◇
四万・十人一首
■バーチャル[こうち自然村](ほぼ週刊・不定期)
◇
「四万十川新聞社」からのお知らせ
■土佐の森・救援隊(ほぼ週刊・不定期)
◇
メルマガ:土佐の森・救援隊 (186号)
◇
中川レポート(こうち森林救援隊活動報告)
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写真集=
『ブログフォーカス(四万十川通信)』
壁新聞=
『県庁ぷらっとこうち版・四万十川新聞』
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■四万十川改修工事の巻<其の8>
[四万十川で土木工事の監督をする:7日目]
嘉永三年の冬・天気:小雨
「おはようございます!今日も1日、がんばりましょう!」
というわけで、今日も作業が始まった。拙者は、各組の仕事の状況を見て回ったが、やはり、今日中に、すべての作業は終わってしまいそうだ。2週間の予定が、たった3日で完成!?とんでもないことになってしまっているぜよ、うひひ。
「よう、監督、見回りご苦労でやんす!」
「やあ、みなさん、調子はどうですか?」
「いやあー、仕事がはかどって、仕方ないなー、監督は、本当の人使いの名人じゃ」
わははは、と笑いが起こった。と、そこへ、別の班の監督が通りかかった。
「おい」
「ん、なんぜよ?」
「もっと真面目にやれよ」
「は?」
「笑いながら仕事をするとは、何事!」
楽しく仕事をして何が悪い?と思ったけど、それは言わなかった。それで、黙っていたら、
「それから、お前のとこの班は、組に分けて、競い合いをさせているらしいな」
「はあ・・・」
「仕事は、遊びじゃないんだぞ、真面目にやれ!」
真面目にやっても、完成しないのでは意味がない、と思ったが、それも言わなかった。
時間がもったいない、と思った。言われっぱなしで、くやしくないのか?うん、別にどうでもいい。初日の拙者なら、傘を片手に大立ち回りを演じたかもしれないが、今はもう、まったく気にならなくなった。

【写真】竜馬の手紙・兄権平宛
『浦戸より須崎に逆航(波風の為、震天丸が破損)空蝉(原名胡蝶丸)に乗り換え10月9日大阪に着いた消息を兄権平に伝えている。』
そして、夜の8時。すべての作業は完了した。
「みなさん、おつかれさまでした。なんと、これですべての作業は、完了ぜよ!」
わーっ、と拍手が起こった。
「みなさん、疲れたでしょ?」
「あー、疲れた、へとへとじゃー。それもこれもすべて、監督のせいじゃー、わはは。しかし、こんなに楽しい仕事も初めてじゃ」
そのあと夜中まで、宴会をやった。しつこいようだが、2週間のところを3日で終わらせたのだ。ま、前半、ちょっとサボったけど、それでも1週間。予算も、賞与には、たくさん使ったけど、全体としてみれば、大幅に安くあがった。金も人も物も・・・使いよう!、か。
みんなと、ひとりひとり握手して、別れた。宿舎に戻ると、よその班の監督たちが、また、ひそひそ話をしている。拙者の悪口を言っているようだった。
拙者の姿を見て、そのうちのひとりが言った。
「おい、明日からは真面目にやれ」
何を言うのかと思ったら・・・。
「ああ、真面目にやるぜよ、剣の練習をな」
「ん・・・、何?」
やれやれ、負け犬どもめ。明日は、朝一番で、島田さんに作業終了の報告をして、で、こことは、おさらばだ。四万十川よ、さようなら!
明日の今頃は、ひさしぶりに我が家で寝ているぞ!かつおのたたきが、楽しみぜよ。
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[歴史探訪:竜馬と四万十川]
■カテゴリ:
坂本龍馬編
■
歴史・文化で、まちおこしを・・・
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[ブログ・フォーカス]

松に腰かけて松を観る (山頭火)
【写真】大正15年建設当時の赤鉄橋。(提供:地元郷土史家・沢田勝行氏)
竜馬が松に腰掛け松を見た、という松林が見える。地元では、この松林を「並松」と云っていたが、今は跡形もない・・・。東の芸西村和食の琴ケ浜には立派な松林が残り、山頭火の「松に腰かけ・・」の歌碑が立っている。
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『竜馬が四万十川にゆく』 ー完ー
■ゴルゴ13の墓を四万十川に・・・(
幡多山正太郎・作)
(
不破川愚童斎・画)
【第13回】(お約束どおり、ゴルゴ13回で終わり・・・)
◆G13の墓碑銘
墓石に刻む碑文は「世界史を銃弾で変えた男 ひっそりと ここに眠る」で、いいでしょう。

【挿絵】テロリストG13の墓(四万十式浄化葬)
なあにトイレ近くを選定したのは、ブリットの洒落ですよ。もし骨があれば便槽にドボーンと優雅な音を立てて沈めたりして・・・。テロリストにふさわしいオチだなぁ。
どうです、ゴルゴの旦那、墓は四万十川に決めたら。(終り)
「ゴルゴ13の墓を四万十川に誘致する会」
発起人 幡多山 正太郎
【作品解説】
◆「
メルマガ:出放題」に掲載しています。
(次回の幡多山氏による新聞小説は、男はつらいよ第49作『寅次郎の「四万十川の大休日」<シナリオ版>』です。四万十川通信の別立てカテゴリ「
寅さんと四万十川」に、掲載します。)

■バックナンバー(古新聞)
<平成18年12月>
第57号 (2006.12.03)
四万十文芸・春秋 『森林編』
第58号 (2006.12.10)
四国遍路の四万十川的な文化・歴史考察・その3
第59号 (2006.12.17)
四万十文芸・春秋 『四万十の宿編』
第60号 (2006.12.24)
俳句と短歌と四万十川と・・・
第61号 (2006.12.31)
四万十文芸・春秋『さようなら!「四万十川の風景」編』<最終号>
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(「切り抜き」第61号<最終号>より)
■ゴルゴ13の墓を四万十川に・・・
(作:幡多山正太郎、画:不破川愚童斎、編集:山藤花)
◆鼎談を終えて・・・マドンナは? (四万十川新聞社)

(太郎社主)
第61号で、四万十川新聞【日曜版】は一応大円団ですが、また新たな小説ネタ、挿絵ができましたなら、是非投稿してください。紙面を空けて、いつでも掲載できるようにしておきます。
(幡多山)
こちらこそ、実は、次回のキャラクターは、太郎社主のリクエストにより「寅さん」に決定し、現在、好評連載中です!
(太郎社主)
エッ!、寅さんですか!・・・と、なるとマドンナの登場があると思いますが、やはり吉永小百合、いや、花子でしょうか?
(幡多山)
「男はつらいよ」第9作と第13作のマドンナは吉永小百合さんですが、今回は幻の49作目という設定ですので、花子さんでも良いかと思います。しかし、ちょっと漫画にしにくいのでは・・・。
(不破川)
そうですね。美人は漫画になりにくい・・・、(社主が納得顔で、大きくうなずく・・・)四万十川は、今も昔も、大変NHKに、お世話になりましたので、マドンナはNHK大河ドラマ「功名が辻」から、仲間由紀恵さんです。
(幡多山)
そのときは、どうかよろしくです。本当に、ありがとうございました。
(太郎社主)
早速、復刻版/新・四万十川新聞【日曜版】を準備します!乞う、ご期待!
(不破川)
今年は寅年ではないけれど、新・四万十川新聞【日曜版】は、猪の一番の寅さんで、面白い展開になっています。
(山藤花)
すべての方に謝々。ひとまずこれにて、さようなら・・・、です。
◆寅次郎の「四万十川の大休日」
男はつらいよ 第49作
(シナリオ:幡多山正太郎 挿絵:久米真未)

鉄鉢のなかにあられ (山頭火)
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[四万十川の愛唱歌](「四万十川新聞・俺の話を訊け!」より)
■
寒い朝

北風吹きぬく 寒い朝も
心ひとつで 暖かくなる
清らかに咲いた 可憐な花子を
緑の髪にかざして 今日も ああ
北風の中に 聞こうよ春を
北風の中に 聞こうよ春を・・・
うしろすがたのしぐれてゆくか (山頭火)
四万十川新聞【日曜版】ダイジェスト版・・・おしまい。
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写真集=
『ブログフォーカス(四万十川通信)』
壁新聞=
『県庁ぷらっとこうち版・四万十川新聞』
○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o
バーチャルシンポジウム
『京都議定書と森林問題』(17.4.1~19.3.31)
<主催:四万十通信ネットワーク>
***********************
■オリエンテーション
【
小泉純一郎前内閣総理大臣】

政府の地球温暖化対策推進大綱では、削減目標6%のうち、0.5%は産業部門などからの排出量を削減することで、3.9%は森林による吸収量を確保することでそれぞれ対応し、残りの部分について京都メカニズムを活用することとしています。
地球温暖化を防止するために、我が国が持つ、優れた環境技術を京都メカニズムやその他の国際協力を通じて途上国などに普及し、地球規模での温暖化対策の推進に貢献していく必要があります。(「小泉内閣メールマガジン」(176号)より)
【
橋本大二郎高知県知事】

京都議定書の発効によって、温室効果ガスの排出量を削減する数値目標が国際的な公約になりましたが、これを達成するためにも、今後は炭酸ガスの吸収源である適正に管理された森林の面積を国全体で増やしていかなければなりません。
こうした、新しい流れの中で、森林の整備を促進するための財源の確保に向けて、国や温室ガスを排出する事業者に対しての働きかけに努めていきたいと考えています。(「17年2月定例会知事提案説明」より)
【氏原芳男高知県森林局長】

地球の温暖化防止対策について、京都議定書が発効され、何とか動き出した。日本は森林吸収源に大きな重みがかかっており、厳しい状況にあるが、環境と経済を両立させ、企業益、国益、地球益というようなものを求めて、新しい森林のビジネスが期待されている。(「庁議(17年4月)」より)
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■『京都議定書と森林問題』の疑問など・・・
◆小泉前首相が言う『森林による吸収量を確保する』とは、どういうことなのでしょうか?
◆橋本知事が言う『適正に管理された森林』『森林の整備』とどのような関連があるのでしょうか?
◆氏原森林局長が言う『環境と経済を両立』『新しい森林のビジネス』とは?
◆さらに、高知県が専任の排出権取引担当専門企画官を配置してまで進めようとしている『排出権取引』『温室ガスを排出する事業者に対しての働きかけ』とは、どういうことなのか?
これらの疑問などを明らかにするため、高知県が構築した双方向での情報収集・発信システム「四万十川流域・かわうそ通信」のネットワークを利用して、バーチャル・シンポジウム『京都議定書と森林問題』を、インターネット上で開催。
**************************
■基調講演

講師:
赤井龍男氏(元京都大学助教授)
演題:『低コストな合自然的林業』
講師:
田所賢一氏(高知県森林局)
演題:『近自然林施業』
講師:
大野 晃氏(長野大学教授)
演題:『山村環境社会学』
講師:
大森 孟氏(森林インストラクター)
演題:『森林証券制度』
講師:
福井俊彦氏(経済同友会・日銀総裁)
演題:『21世紀グリ-ンプラン』
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■セミナー

・『
バイオマス』 松崎武彦氏
・『
崩れない道づくり』 田辺由喜男氏
・『
宮大工の木へのこだわり』 大森健司氏
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■サロン・談話室
・『
四万十川の水量』 大原@四万十川ウオーカー氏

・『
農林水産大臣への提言』 大森 孟氏
・『
森と木と家をつなぐ』 大原泰輔氏
**************************
■
パネルディスカッション

・パネラー
小泉純一郎氏(前内閣総理大臣)
橋本大二郎氏(高知県知事)
杉本 明氏 (高知県専門企画員)
・ゲストのご意見
大原@四万十市住人(四万十市)
松崎武彦氏 (高知市)
匿名氏 (高知県)
四万十太郎氏 (四万十市)
大森 孟氏 (所沢市)
荷見泰男氏 (常陸太田市)
熊崎実氏 (岐阜県)
匿名氏 (?)
林野庁 (東京都)
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■
バーチャルシンポジウム『京都議定書と森林問題』
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[第16話] 開高 健氏

[プロフィール]
・1930 大阪市生まれ
・1958 芥川賞受賞
・1964 朝日新聞臨時特派員で
ベトナムへ
・1981 サントリーなどのCMで
広告大賞
・同年 菊地寛賞受賞
・1989 食道癌で死去。
享年58歳
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■四万十川応援歌(あなたの国に、まだトンボは棲めるか?)
自然は今、全地球規模で酷い状況になっている。
トンボがいなくなった、ドジョウがいなくなった、
カエルの鳴き声は聞こえない。
ウグイスの声も聞いたことがない・・・
トンボやドジョウがのんびりと棲めないところには
人間も住みづらいのだということは
いろいろ報告されているが、
このことをそのまま皮膚で、
ナイフで切られた傷のように感じる人は実に少ない。
考えるより感じることのほうがむずかしいのは
万古不易、いつの時代も変らぬものなのだ。
自然にはある限界点があり、それ以内ならば
人間がほんのちょっと努力すれば蘇るという
不屈さをもっているが、その限界点を越えてしまうと
どうあがこうと作り出せない。
ヒトは月へ行って帰ってこられるようになったものの、
オタマジャクシ一匹、実験室で作り出せないじゃないか。
そのオタマジャクシが失われた時、
人間の心にどういう変化が起こるか、
この大問題をみんなもっと見つめる必要がある。
形あるものが形のないものから生まれるのだという
大原則に鋭く深く目を凝らしていただきたい。
そして山や川を眺めてほしい。
すべての日本人が心の故郷喪失者に
なりつつある今こそ。切に!
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■開高 健さんのこと
開高 健さんは逝去寸前に四万十川にやって来ていた!
太郎は一緒に酒を飲んだ!「オーパ」という本をくれた!
豪快だが饒舌な人だった!
「四万十川応援歌」を詠んでくれた彼が、
今の四万十川を見たら何と言うだろうか?
聞いてみたいものだが・・・
四万十の夢も、夢のまた夢!
一緒に写した写真がアルバムから剥がれない!
(四万十太郎)
<「四万十川新聞」(16.11.15)より>
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[リレー・エッセー]
終わり・・・。(山藤花)
■『さようなら四万十川(山頭火)』編
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[短歌の部] <「四万十川百人一首」より>
四万十川の春夏秋冬5回くぐりぬけ
さようなら四万十の夢 夢のまた夢
(山藤花・四万十市)
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[俳句の部] <句集「四万十百笑侘住集」より>
山もよろし川もよろし酒なおよろし (山藤花・四万十市)
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[川柳の部] <「高新柳壇・宮本時彦選評集」より>
過疎にいてうまい空気と気がつかず (宮本良久子・四万十市)
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[出放題の部] <高知新聞夕刊(平成12年9月)より>
ニュース (平成12年9月朝日新聞)
Eメールで森林情報
全国に発信
内容は「森沢山」です
ー「四万十森林記行」ー
(越知・マーチャン)
<高知新聞コラム「出放題」没集より>

平成12年9月6日の朝日新聞高知版のトップニュースとして「四万十森林記行」を発刊する記事が掲載されました。

メルマガ自体が、まだ珍しかったこともあり、全国版のアサヒコムにも取り上げられ、インターネットを通じて全国に発信されました。発足当時の購読者数は北海道から鹿児島まで50名ほど。
その後、試行錯誤を繰り返しながら、「新・四万十森林記行」「四万十川源流・かわうそ通信」「四万十通信」と表題は変わりましたが、「高知県中村林業事務所版」「高知県須崎林業事務所こだま版」「地域支援企画員版」「高知県幡多林業事務所版」として、ほぼ週刊(隔日刊)で発行、配信。(総配信数も2000号に迫るのではないかと思われます。)
使用アイテムも、Eメール、メルマガ、HP、ML、掲示板、ブログなどを包括し、それらを連動させることにより、双方向、かつリアルタイムでのITマルチメディア(情報誌)として、今日に至っています。
現在のメルマガ購読者は、1千名を越えています。ブログのアクセスは、正確な数字は不明ですが、10万件は優に超えています。
◆メルマガ:
四万十川源流域・かわうそ通信(まぐまぐ)595部
◆メルマガ:
四万十森林記行(まぐまぐ)427部
このような履歴で「四万十通信」(旧四万十森林記行、旧四万十川源流・かわうそ通信)は、6年間続いたことになります!また、「四万十通信」を含め、現在のネットワークでの情報のとりまとめは『四万十川通信社』が行っています。
一応、この3月末で、「四万十通信」の配信は終了します。これまで配信した「四万十通信」及び関連ネットワークでの情報は、『四万十川通信社』が、バーチャル[四万十川博物館]に集約していますので、ご一覧ください。
◆
四万十川博物館
◆
四万十川博物館・別館
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[新聞・写真の部] <「本家版・四万十川新聞」より>
■文句なし!の「四万十川新聞」(18.12.19)
四万十川での「鮎の解禁日」の情報です!

(注:編集局)
例によって、写真をクリックすると、見づらい太郎氏の文句が見られます!
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[詩・音楽の部] <「草木塔」より>
山行水行
山あれば山を観る
雨の日は雨を聞く
春夏秋冬
あしたもよろし
ゆうべもよろし
(山頭火・山口県)
これは、「四万十の詩」ではないかもしれません。山頭火は四国遍路の旅で、一度は四万十川を訪れているはずですが、その紀行、俳句を記したであろう日記を、すべて焼き捨てて灰にしたため、四万十川と山頭火を結びつけるものが、全くありません。
『焼き捨てて日記の灰のこれだけか』(山頭火)
山頭火が四万十川のほとりを逍遙すれば、恐らく、『山行水行』に見られるような詩心・歌心であったものと思われます。(山藤花)
■
寒い朝

北風吹きぬく 寒い朝も
心ひとつで 暖かくなる
清らかに咲いた 可憐な花子を
緑の髪にかざして 今日も ああ
北風の中に 聞こうよ春を
北風の中に 聞こうよ春を・・・
うしろすがたのしぐれてゆくか (山頭火)
『削除してITメディアのこれだけか』(山藤花)
四万十通信 終わり・・・
■四万十川改修工事の巻<其の7>
[四万十川で土木工事の監督をする:6日目]
嘉永三年の冬・天気:曇り)
うーん…。ここまで、成果があがるとは、想像してなかった。嬉しい誤算ではあるが、ちょっと怖い。
昨日の話なんだけど、うちの班の連中は、どの組も、午後の3時くらいまでには、予定分すべての作業を終えてしまっていた。
「は、はは…」
拙者、苦笑い。
「監督、この場合、賞与はどうなる?」
「最初に終わった組は、どこぜよ?」
「2組じゃ」
「じゃあ、2組に賞与を払うぜよ」
2組から、歓声があがり、1組、3組からは、ため息がもれた。
「あ、でも、1組も3組も頑張ったから、少し、賞与を出すぜよ」
「いやっほう、さすがは監督だ!そうだ、明日も早く終わらせたら、賞与を出してくれるか?」
「うん、わかった」
「よし、それなら作業続行だ!」
彼らは、再度、作業を始め、作業終了時間の午後5時になっても、仕事をやめず、結局、夜の11時まで働いていた。その時点で、明日の分までの仕事が終了。

【写真】長岡謙吉宛
イカルス号水夫殺害の嫌疑が海援隊にかかり、その交渉が土佐に移され、薩摩船三邦丸で須崎港に着いた事を伝える。
しかも今朝は、朝の6時から作業を始め、午前10時には、明後日の分の作業も終了。午後には、明々後日の分までが終わり、夜には、明々後日の次の日(って何て言うんじゃ?つまり4日先)の分までが、終わっていた。
「監督、もうひと勝負じゃ!!」
「わ、わかりました…よ、よろしくおねがいするぜよ…あの、くれぐれも、けがのないよう…」
「よっしゃー、野郎ども、かかれーっ!!」
聞いちゃいねえや。よその組に負けたくない、という一心なのだろうが、それにしても、お、おそるべし速さぜよ。しかも、完成度も高い。速さを競うばかりで、完成度が落ちたら困るなー、と思っていたけど、それは杞憂だった。よその組から、いちゃもんがつかぬように、どの組も完璧に仕事している。
今夜の終わりには、5日先の分まで終わっていた。この分なら明日には全作業が終了してしまう…。どうしよう。いや、全然、構わないのだけど、でも、どうしよう?順調過ぎて、龍馬、怖い~。
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[歴史探訪:四万十川と山頭火]

芒野を風に吹かれて杖さげて
遍路ゆくなり・あれ山頭火
(小谷貞広)
山頭火は一度、四万十川を訪れているが、山頭火句集に、四万十川の俳句は見当たらない。俳人なので、四万十川の短歌もない・・・[
more]
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[ブログ・フォーカス]

竜馬が工事監督をしたという「
桜づつみ<『竜馬づつみ』として欲しいものです。>」を管理する国土交通省中村河川国道事務所が、広報誌で「坂本竜馬と四万十川」の特集を組むように準備しているのは、竜馬ファンにとっては朗報です。
【水彩画】桜づつみ公園:徳広淳也氏(大阪府・中村高校第一期卒業生)
■ゴルゴ13の墓を四万十川に・・・(
幡多山正太郎・作)
(
不破川愚童斎・画)
【第12回】
◆墓地の候補地を考えてみますに・・・
それに世界的に有名なあなたは死後にまで名前が売れては何かと不都合でしょうし、その他のふさわしい墓地の候補地を考えてみますに、高知県は四万十川水系のひなびた公衆簡易トイレの便槽近くなんかどうでしょう。
やっぱり幡多のような目立たない不便なところのトイレ横が好ましいと思いませんか。
私らは別にあなたの知名度に頼って、ゴル五万十(饅頭)、ゴルゴリ佃煮なんて土産品を売り出そうなんてけちな考えは持ってませんよ!・・・

【挿絵】四万十の風景が気に入り骨を埋める決心をしたG13
(サブタイトル:愛銃M16カスタムはカナツキに変った)
しかし、地域興しに熱心な人達が口コミで墓の存在を知って、便乗してくる可能性までは否定しません。
最も決してヒットするとは思えませんがね。ためしにやったとしてもあなた好みの一発屋に終わるでしょう。(続く)
[投稿]・・・『寅さん・8』
■久米真未氏

◆関連ブログ:
新・四万十川新聞【日曜版】
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平成18年度 第1回四万十川漫画大会 ー完ー

■バックナンバー(古新聞)
<平成18年11月>
第53号 (2006.11.05)
四万十文芸・春秋 『帰郷編』
第54号 (2006.11.12)
寅さんのお墓を四万十川に・3
第55号 (2006.11.19)
四万十文芸・春秋 『鮎編』
第56号 (2006.11.26)
花子の誕生日に・・・
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(「切り抜き」第56号より)
■花子の誕生日に・・・
毎年、太郎は花子の誕生日の三月に「紅い薔薇」を花屋さんで買う!
一本300円である!
20本買うから6.000円!
しかし、四万十川の日曜市では「一束300円」である!
安い!
太郎が花子を日曜市へ連れて行きたくない理由は、ここにある!
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[四万十川の愛唱歌](「四万十川新聞・俺の話を訊け!」より)
恋人もいないのに

バラの花束 胸にいっぱい
いそいそ出かける 思い出の四万十川
白い波間に 花びらちぎって
恋に別れを 告げるため
(「バラの花束」は、6000円か300円か?)
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[おまけ] <「本家版・四万十川新聞」より>
■地方の全国紙
「四万十川新聞」は「請われて送っているのではない」とは云え「遠くは仏の友人」を含め1000人以上の方に送っています!
「仏の友人」と言っても「あの世」ではなく「フランス」です!
心優しい方は「地方の全国紙」と言ってくれます!・・・しかし
それを花子はこれを「痴呆紙!」」と言います。
「無駄な押し売り!」だとも・・・
○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o
写真集=
『ブログフォーカス(四万十川通信)』
壁新聞=
『県庁ぷらっとこうち版・四万十川新聞』
○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o
『森林環境税とこれからの森づくり』(高知市/18.12.16)
<主催:NPO法人土佐の森・救援隊>
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■ダブル受賞記念式典(18.12.16・高知市)

NPO土佐の森・救援隊は、『四国山の日賞』(四国森林管理局、四国4県主催)と『間伐・間伐材利用コンクール』(林野庁主催)の入賞、と立て続けに栄誉ある賞を受けました。
このダブル受賞を記念して、高知市の「かるぽーと」で、記念式典(「ダブル受賞の報告会」及び「記念講演会(森林環境税とこれからの森づくり)」)が開催されました。
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[記念式典のあらまし]
■ダブル受賞報告会
◆報告者 :
橋詰寿男氏(NPO土佐の森・救援隊理事長)

・
授賞式(浜田市&内子町)の報告
・
森林環境税シンポジウムでの発言内容
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
■記念講演会(森林環境税とこれからの森づくり)
◆半田州甫氏:(株)とされいほく副社長。

「(株)とされいほく」は、豊かな森林の創造により、森林所有者や林業関係者に、林業収益を還元すると共に、森林の公益的機能の維持増進を図り、これによる地域林業の振興と地域社会の持続的な発展を基本理念として、利用間伐の推進を軸に事業を展開しています。
特に、現在問題となっている、間伐の遅れた過密林分を早急に解消しつつ、採算性を確保するための手段として「強度間伐」と「事業地の集団化による大ロット化(団地化)」、「合理的な作業システム(H型架線集材)と機械化による省力化」に取り組んでいます。
・
第3セクター(株)とされいほく
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◆
西田政雄氏:NPO法人我が家を見直す会事務局長。

NPO法人我が家を見直す会は、住宅問題(健全な建物造りと住宅問題被害者支援)と、その基となる森林環境をテーマに、実践的な間伐事業を通し、河川環境や中山間地域問題を考え、高知県の山と街をつないでいく活動をしています。
また、インターネット防災ラジオ番組の製作、ブログ(「
西やんのNPO奮闘記」)での情報発信、住宅の防災対策から自主防災組織設立サポートまで、幅広いNPO活動に取り組んでいます。

さらに、私個人としてですが、森林環境税に関連して、独自の二つの新税導入を提唱しています。そのひとつが「放置森林重加算税」、さらに「県外木材および軽量鉄骨住宅とマンション購入への環境負担税」を新たに展開し、森林・林業界に警鐘を鳴らしつづけています。
・
放置森林重加算税論
・
NPO法人我が家を見直す会
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◆
中嶋健造氏:NPO法人土佐の森・救援隊事務局長。

森林環境税を創設したときは、県下の森林を人間と自然との共生林、すなわち水土保全林と資源循環林にゾーニングすることを前提にしていましたが、どのようにゾーニングするのか、森林環境税をどのように使うのか、さらに、それを誰が実行するのか、などの視点が議論されないまま、出発しました。

継続されるであろう、森林環境税では、そのあたりを、キチっとさせて欲しいものであり、どのような森づくりをするのかを、まず明確にしていただきたい。
どのような森づくりをしなければならないかのヒントに、現在の高知県の森林、とくに土壌との関連をスライドで説明します。(スライドは省略)
・
NPO法人土佐の森・救援隊
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■主催:NPO土佐の森・救援隊
事務局(中嶋) 090ー8973ー5752
【メール】
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[トピックス]
■ダブル受賞記念酒:『10時までよ!』(四万十太郎)

須崎市の須崎駅前「酒のとくひさ」が、NPO土佐の森・救援隊のダブル受賞(四国山の日賞&間伐・間伐材利用コンクール入賞)を記念した清酒『10時までよ!』を販売しています。
徳久酒店はNPO土佐の森・救援隊の第1号の賛助会員で、店舗で、直接モリ券が使用できるほか、ネットでも、モリ券と地酒との交換にも応じています。また、『10時までよ!』の原酒『四万十太郎』は、販売価格の1%を森づくりのために寄付しており、土佐の森・救援隊へは「協賛金」として支援しています。1.8Lは5モリ、720mlは2モリで交換できます。
また、『10時までよ!』のラベルは、同店専務の徳久和宏さん(36)が隊員の似顔絵を添えてデザインしました。
徳久さんは「森林の大切さを、お酒を飲みつつ理解していただければ」と話しています。
◆土佐の地酒
『10時までよ!』
[第15話] 山藤花氏

プロフィール
四万十川通信編集長
四万十川百人一首編纂者
四万十市中村百笑町在住
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■詩歌と四万十川と百人一首・・・
いわゆる文学書に、四万十川の名前が出てくるのは、いつ頃か定かではない。

元禄12年(1699)、眞念法師が書き記した「四国偏禮道南増補大成」(今で言う、「四国遍路ガイドブック」)には、足摺岬(第38番札所金剛福寺)と、宿毛市平田の延光寺の分岐点、土佐清水市市野瀬にある番外霊場、眞念庵(眞念法師の庵)を紹介する個所に『川有、俗に四万十川と云、洪水の時ハ下のかや浦舟わたし有』と、四万十川の記述を、みることができる。
この書には、川の所在は数多く記載されているが、川の名前そのものが記述されている個所はあまりない。
ルビがないので、当時四万十川は、どのように呼ばれていたかは分からないが、全国各地から来るお遍路さん達にとって、『四万十川』という名前には、ある種の「こだわり」と「あこがれ」が、あったのかもしれない。
詩心ある、お遍路さんによって、四万十川をうたい込んだ、和歌や俳句が数多く詠まれ作られたことであろうが、古文書には、その記録がほとんどない。
しかし、この平成の世に、100人もの四万十川を愛してやまない人たちによって、100の短歌と100のコメントが寄せられ、それに100の写真が添えられて、平成19年3月31日、ついに『四万十川百人一首』が完成する。
そして、8月には、高知新聞社から『四万十川百人一首』が出版されることが決まった。
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[リレー・エッセー] 第16話(最終回) 予告
■四万十川応援歌

次回は、開高健氏です。
と言っても、天国の開高氏からエッセーが届いたわけではなく、かって、氏がカヌーを楽しむために、四万十川にやって来たとき、お相手をした四万十太郎(西内燦夫)氏から寄せられたものです。
『四万十川応援歌』と題された、詩文的なエッセーですが、開高健氏の大自然観が述べられている、今となっては、大変貴重な玉稿です。
跳びながら一歩ずつ歩く。
火でありながら灰を生まない。
時間を失うことで時間を見出す。
死して生き花にして団子。
酔わせつつ醒めさせる。
傑作の資格。
この一瓶。 ・・・サントリーオールド
■『森林』編

【写真】針広混交林
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[短歌・写真の部]

岸のべの松は伐られて過ぎし日の面影くらきふるさとの川
(北見志保子・宿毛市)
◆北見志保子氏の【
四万十川百人一首】
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[俳句の部] <「四万十川俳句全国大会」より>
山彦の木霊に澄めり四万十川 (川上こよね・高知市)
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[川柳の部] <「四万十川川柳全国大会」より>
四万十のせせらぎ森の愛と聞く (田制圀彦・野田市)
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[詩の部] <高知県こども詩集「やまもも」より>
冬の川
冬の川は、だれもいない、魚も見えない、
ひんやりとして、水の音が聞こえるのみ
夏の川は、泳げるし、魚が見える、
魚もつれるし、人がいてにぎやかだ
夏の川は、僕たちを受け入れだいてくれるが
冬の川は、僕たちに話しかけてくれない・・
冬の川は黙って流れている
(藤沢一男・津野川中学:四万十市)
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[出放題の部] <高知新聞夕刊(平成13年1月)より>
【ニュース】巨木群のひび割れを防ごうと地元の子供らがボンドを塗りこんだ。
川底で発見の巨木群を補修
底辺が広がるかも・・
ー四万十川ー
巨木を考える会殿
(高知・直ちゃん)
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[新聞・音楽の部] <「本家版・四万十川新聞」より>
■四万十川の森林

「緑の砂漠」・・・樹木はあっても機能的な荒廃
「水中砂漠」・・・河底の石に土砂が付着すると魚類が困窮
川底の砂漠化は「けい藻類」の発育を邪魔をし、栄養失調の鮎は発育を抑制される!
人間の「東京砂漠」と合わせて…
口の悪い人の言う「日本三大砂漠」である!
◆
蒼い砂漠

未来と夢を求め さまよい歩いてく
熱く燃える想いは 空に砕け散る
乾いた砂漠の果て 何が見えるのだろう
蒼く光る太陽 静かに照らす
未来へのあかし
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[四万十川の森林にかかる宣言]

■しまんと黒尊宣言ー2006.11.19
(しまんと黒尊むら・四万十市・高知県・四国森林管理局)
1 貴重な森林や清流、水辺の景観を良好な状態で次代へ引き継いでいきます。
2 山村住民と都市住民との交流の場や森林環境教育・学習の拠点としての地域づくりを進めます。
3 地域住民の生活向上をめざし、農林業の振興・発展に努めます。
■四万十の森・宣言ー2002.1.1
(高知県中村林業事務所)
1 四万十川流域の自然林は、自然林として自然林のまま残します。それをもって「四万十の森」とし、後世に引き継ぎます。
2 四万十川流域の人工林は、自然の法則性に合致させ、より自然林に近い人工林に誘導します。それをもって「四万十の森」とし、後世に引き継ぎます。
3 「四万十の森」は、世界遺産を目指します。
◆
四万十川条例
・四万十川の河岸に天然林が連なり、良好な景観が維持されていること。
・流域内において、人工林が適正に管理され、天然林とともに多様な森林が形成されていること。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[ブログの部]
■四万十通信
◇
四万十の森・宣言
○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o
■四万十川改修工事の巻<其の6>
[四万十川で土木工事の監督をする:5日目]
嘉永三年の冬・天気:まずまず晴れ
昨日は、予告通り、作業は休みにした。
そのかわり、で、今朝なんだけど、やっぱり、みんな遅刻してきた。拙者は30分前には現場に行って、焚き火をしたりして、みんなが集まるのを待っていた。
1時間して、ようやく集まった。
「えーっと、みなさん。今日は、大目に見ますけど明日からは、遅刻をしたら、減棒といたしますぜよ。そこんとこ、よろしく!」
案の定、皆は、えええーっと言ったので、
「はい、みなさんの言うことはごもっともです。拙者も、おととい、寝坊してしまいました。この時期、早起きをするのが、どんなにつらいか、よーくわかっておりますぜよ」
拙者は、軽く深呼吸をした。さあ、ここからが勝負ぜよ!
「ですからね、明日から、1番早く来た組に、賞与を与えたいと思っているぜよ」
そこで、みんな、きょとんとする。組って、なんだ?という反応。よし、予想通りぜよ。
「組について、説明をするぜよ。えーっと、この我らが班を、3つの組に分けます。ほんとは、先に「組」があって、それを「班」に分けるのだけど、まー、そのへんの呼び方については大目に見てくだされ」
拙者は、持ってきた組み分け表を読み上げた。
「…というわけなので、今、名前を呼ばれた通り、整列してくだされ」
12人ずつ、3つの組が出来上がった。
「明日、いちばん早く全員が集合した組には賞与を与える。さらに、いちばん早く、作業を終わらせた組にも、賞与を与えるぜよ」
おーっ!という、どよめきが起こった。
「はい、では、今日の作業は終わりにします。えっ、もう終わりなのかって?うん、組み分けしたから、終わりぜよ。あ、でも、働きたい人は働いて行ってもいいぜよ。その分、明日早く終わるもんね?そしたら賞与は、その組のものぜよ、いひひ」
皆は、一目散に走って行って、作業に取り掛かった。
「ふう、うまく行ったぜよ」

【写真】乙女宛
吉井勇の祖父が、何かと世話をしたという鹿児島への「竜馬とお竜」の新婚旅行。乙女姉さんへ、霧島山登山の事を述べている。(絵入り)
拙者、昨日、作業を休みにして、この段取りを考えていたのだ。台詞をばっちり頭に入れて、何度も練習した。
豊臣秀吉が、清洲城の壁の修理を、「わしなら、3日で出来る」と、織田信長に言って、実際に3日で終わらせた、という逸話があるが、そのとき用いたのが、「いくつかの組に分けて競わせる」という方法だった。作業は、この手に限る。
ところで、賞与なんか出せるのかって。うん、じつは、この仕事、前にも書いたが、日給制なので、1日にどれだけ働いても報酬は同じなのだ。だから、なるべくゆっくりサボって、時間をかけて日数を稼いで働いた方が、雇われた側は都合がいいという仕組みになっている。
拙者は今、14日分の給料を、総監督から預かっている。もし作業を10日間で終わらせると、4日分の給料が浮く。この浮いた給料を賞与にまわすのだ。
すでに拙者の班は、4日サボっている。ふふふ、計算どおり…、というのは、嘘なのだが(思いつきです、はい)、ま、そのへんのことは、島田さんにも話してあるから、なんとかなるだろう。
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[ブログ・フォーカス]

吉井勇の「四万十川百人一首」は、『
山ふかく数里のあひだ人に会わず・・・』という、四万十川源流を訪れた時の歌です。では、何故、吉井勇は、人影もない深山幽谷が続く、四万十川の源流まで旅したのでしょうか・・・[
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【写真】吉井勇氏
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[歴史探訪:四万十川と吉井勇]
■吉井勇と坂本龍馬と四万十川と・・・
吉井勇の祖父は吉井幸輔(友実)、鹿児島出身で、西郷隆盛と親しかったと云います。坂本龍馬と西郷隆盛を引き合わせたのは吉井幸輔と云われています。

また、池田屋事件のあと、竜馬は「お竜」を連れて、日本で最初の新婚旅行に鹿児島の霧島へ行ったエピソードは有名です。そのときに鹿児島へ招いたのも、また、鹿児島で、何かと面倒を見たのも、吉井幸輔です。
そのような事から、吉井勇は坂本龍馬のことを、幼少の時から祖父に聞かされ、尊敬とともに親近感を持っていた、と思われます。
東京で身も心も疲れ果てたとき、土佐へ居寓する心境になったのは、「土佐は龍馬のふるさと・・・」という事があったのかもしれません。
吉井勇が、「なぜ?四万十川源流への旅を・・・」の謎解きも、そのあたりにヒントがあるような気がします。
吉井勇の歌碑は、高知県に9基(他に香北町猪野々に15基)ありますが、四万十川源流の碑はありません。また、坂本龍馬の歌を数多く詠んでいますが、竜馬の歌碑もありません。
鹿児島の霧島温泉では、『竜馬が新婚旅行に来た』という歴史的事実を、見事に「地域おこし」に繋げています。一方、高知の四万十川には、『竜馬が河川工事に来た』という歴史的事実がありますが、銅像はもとより、その記念碑のひとつもありません。
歴史的事実は作り出すことは出来ないもの。大事にしたいし、それを地域おこしに繋げると、奥の深い「地域づくり」が可能です。
吉井勇の竜馬を詠んだ短歌のひとつ。
新しき龍馬出でよと叫ぶごと一万の紙おのづから鳴る
(「一万の紙」とは、高知新聞の1万号を指し、これを記念しての祝歌です。)
■ゴルゴ13の墓を四万十川に・・・(
幡多山正太郎・作)
(
不破川愚童斎・画)
【第11回】
◆墓碑銘はどうします?
余談ですがチベット地方の鳥葬も後腐れがなくて面白いかも。肉片はまったく残らずに鳥がきれいに片付けてくれるそうですよ。骨片がどうなるかまでは聞き逃したけんど。
それから聖なるガンジス川にジュ-シ-な生焼き荼毘を流すというのも乙かも。やはりあなたにはアジア的な葬儀手法が、西洋的なマスコットネ-ムに反して似合っている気がします。

【挿絵】信長公に銃交換をせがまれるG13
遺灰や遺骨のことはさておいて、墓碑銘はどうします? もう一つの通り名「デュ-ク東郷」にするつもりかな。
供養してくれる子孫もないようなら、高野山の永代供養もあり得ます。宗旨なしとの代理人申告には、この際埋葬受付係も目をつぶってくれるでしょう。
比叡山全山焼き討ち、一向宗徒ジェノサイドの魔王、織田信長公の墓の隣なんかが一番ふさわしいと私なんかは思うんですが・・。もっとも草葉の陰で弘法大師は顔をしかめて嫌がるだろうな。(続く)
[投稿]・・・『寅さん・7』
■久米真未氏

◆関連ブログ:
新・四万十川新聞【日曜版】

■バックナンバー(古新聞)
<平成18年10月>
第48号 (2006.10.01)
寅さんのお墓を四万十川に
第49号 (2006.10.08)
四万十文芸・春秋 『川漁師編』
第50号 (2006.10.15)
蜘蛛合戦
第51号 (2006.10.22)
四万十文芸・春秋 『鳥編』
第52号 (2006.10.29)
寅さんのお墓を四万十川に・その2
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(「切り抜き」第50号より)
■蜘蛛合戦

【写真】蜘蛛合戦(小谷貞広)
土佐の小京都・中村(四万十市)には、こんな伝統行事があります!
応仁の乱を逃れて、幡多へやって来た「公家」の従人が始めた「遊び」と言われていますが…今では「歴史をしのぶ行事」として定着しています!
蜘蛛と蜘蛛の「縄張り争い本能」を利用した遊びですが…
「動物虐待」との声は聞かれません!
何故か?…
「蜘蛛を愛する人は居ない!」からでしょう?
◆
四万十川の文化人 「小谷貞広の蜘蛛合戦」その1
◆
四万十川の文化人 「小谷貞広の蜘蛛合戦」その2
◆
四万十川の文化人 「小谷貞広の蜘蛛合戦」その3
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[ひとくちメモ]
■女郎ぐも相撲大会

今年も、恒例の、第56回全日本女郎ぐも相撲大会が一條神社境内で開かれました。(8月6日)クモは体長別に十両、幕内に分けられ戦います。その戦いは30ー40センチほどの細い棒の上です。子どもたちは、持ち寄った自分の蜘蛛の動きや「やぐら落とし」、「がっぷり」など、それぞれの蜘蛛の技に大興奮。土佐中村の夏の「四万十川の風物詩」です。
この日の主役は「女郎ぐも」。正式には「黄金ぐも」という蜘蛛ですが、この地方では「女郎ぐも」の名で親しまれています。
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[四万十川の愛唱歌]

■
いい日旅立ち
いい日旅立ち
羊クモを探しに
父が教えてくれた
歌を道連れに
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[おまけ] <「本家版・四万十川新聞」より>
■女郎蜘蛛大会

【写真】蜘蛛合戦(四万十太郎)
蜘蛛と蜘蛛の争いですが…
大人も真剣! 子供も真剣!
蜘蛛はハタ迷惑?
○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o
写真集=
『ブログフォーカス(四万十川通信)』
壁新聞=
『県庁ぷらっとこうち版・四万十川新聞』
○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o
『こうち市民の森・プロジェクト』(高知市/18.5.1)
<主催:こうち森林救援隊/高知市役所>
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■高知市で、「こうち市民の森・プロジェクト」が動き始めました!
NPO土佐の森・救援隊が提唱している『森づくりプロジェクト』は、環境に優しく、且つ、資源的にも優れた森づくりを行い、さらにその森を森林ツーリズムの場としてに活用するほか、資源としての森を「社会インフラ」として見直し、復活させよう、という構想です。行政、民間企業、NPOなど市民団体の3者の『協働』により、具体的な実践活動を通して実現することにしています。
その中では、高知市役所の職員及び高知市民が主体となって結成された森林ボランティア団体「こうち森林救援隊」(高知県登録第17号)が「こうち市民の森・プロジェクト」を行っています。
このプロジェクトは、間伐を始めとする森林保全ボランティア実践活動を通して、健全で、植生豊な森づくり実現し、また、資源としての森林・木材を徹底的に利活用することにより地球環境の改善のみならず、都市部と山村の交流を図り、地域経済の活性化に少なからず貢献することを目的とした『森づくりプロジェクト』です。
橋本知事は、「森林ツーリズム」ということで同様の提案をしていますが、お膝元の高知県庁には実践活動を伴う動きが全くありません。県庁と、お堀をはさんだ隣の高知市で、具体的な動きが起こり、『森づくりプロジェクト』の実践活動である「こうち市民の森・プロジェクト」がスタートしました。
岡崎誠也高知市長と「こうち森林救援隊」との「こうち市民の森・プロジェクト」懇談会が開催されました。市役所からは、担当部長をはじめ市の幹部、市議会からは元鏡村長、元土佐山村長のふたりの市議が参加、こうち森林救援隊は所属する市役所職員等関係者及び森林NPOの役員など20名ほどが参加しました。
マスコミ等の取材もあり、さながら岡崎市長らをパネリストとする「こうち市民の森・プロジェクト」シンポジウムとなり、活発な意見の交換が行われました。
<参考>
◆
森林ツーリズム(橋本高知県知事)
◆
未来の森づくりプロジェクト(四万十通信)
(いの町、三井物産、地元企業、NPO土佐の森・救援隊などの協働によるプロジェクトです。)
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「こうち市民の森・プロジェクト」懇談会

◆はじめに・・・宮川こうち森林救援隊隊長(高知市役所OB)
高知市有林をはじめ、森林が荒廃している。かって高知市役所を建設したときは市有林を売って、財源を確保した。今、森林に手を入れなければ、水保全などの公益的機能が失われるだけでなく、市民の貴重な財産をも失うことになる。
この現状に、高知市役所の職員を中心とした一般市民森林保全ボランティアを立ち上げた。市役所、市議会の行政としてのご協力をお願いしたい。
【写真】岡崎市長とこうち森林救援隊隊宮川隊長
◆
設立目的、経緯の説明及び
活動実績の報告・・・中川こうち森林救援隊副隊長(こうち市役所)
◆森林保全ボランティア活動について・・・田鍋森林救援隊副隊長(高知市役所)
この活動に参加して、山の状況が理解できた。参加すれば参加するほど、我々の手で何とかしなければ・・・と言う思いが募ってくる。森林保全ボランティア活動は、資金も資機材も、何もないところから始めている。
森林環境税でチェンソー3台、ヘルメット20個はいただいたが、70名あまりの会員が活動するには、とうてい不足する。NPOから、何台ものチェンソーをはじめ、ヘルメットなど安全器具類を借用し、また、保険代、燃料代、軍手・地下足袋などの最低必要経費の支援を受けて活動を続けている。森林環境税のような画一的、単発的な支援でなく、融通のきく、通年的な支援があれば・・・と考えている。
◆森林ツーリズムなどについて・・・中嶋NPO土佐の森・救援隊事務局長(民間会社)
行政は、遊び心は持っているが、決して遊びではない「本当の森林整備」が実行できる森林ボランティア団体を戦略的に利活用して欲しい。
そのひとつは、地域づくり・地域おこしの起爆剤にしていただきたいこと。一般市民が間伐ボランティアに参加すること自体が、グリーンツーリズム。グリーンツーリズムは農業の面では、各地で盛んに行われているが、林業版のグリーンツーリズム、橋本知事の言う森林ツーリズムが必要だ。
ふたつめは、林業の復活、森林の再生には、これまでのような大量生産、大量消費を前提とした大規模所有者より、自分の山が何処にあるかも分からないような小規模森林所有者に山仕事の面白さを実体験させることが必要。嶺北地方では、そのような方が、見事な山づくりを実践している。森林ボランティア活動から森づくりの面白さを再認識する方が多い。この辺りを、行政的に利用して欲しいと考える。
◆森林ボランティアについて・・・橋詰NPO土佐の森・救援隊代表(高知県庁OB)
こうち森林救援隊は、高知市役所の職員が、公務ではなく、ボランティアとして立ち上げ、土日の休日に、手弁当で活動を続けているところに意義がある。公務員は土日にボランティア活動をする場合、公務としてか、ボランティアとしてか、という議論をすぐするが、自身も公務員の前に、「一般市民」である、と言うことを考えれば、そのような議論はナンセンスである。
森林ボランティアは安全第一で、できることをできるだけ、できる範囲で、あくまでも個人の立場で行っているが、個人の装備品ということで、森林環境税などの支援対象からはずれている身の安全を守る防災服などへの支援が、一番必要とされる。どのような形であれ、必要な所へのきめ細やかな支援を望むところである。
その点からも、高知市と森林ボランティア団体が締結している「森林整備協定」は全国的に見ても例がなく特筆すべきものであり、このような協定がどしどし締結されることを希望する。また、他の市町村に波及することを期待する。
◆木材資源の活用について・・・門田元土佐山村長(高知市会議員)
ボランティア活動で木材資源を活用することを考えたら・・・。たとえば、日曜市に丸太の椅子などをどんどん出したら如何?倉庫については、土佐山地区にも鏡地区にも民家等をあたれば、いくらでもあるので、利用できるのでは。お世話はする。

【写真】右から中川・田鍋・中嶋・橋詰・門田の発言者
◆特区などの考慮を・・・川村元鏡村長(高知市会議員)
鏡、土佐山の住民は、昔から日曜市など高知市街地に出て行き、「土佐の文化」を作ってきた。「市民の森構想」では、逆に市街地の人が、山に入ってきて「土佐の森林文化」を作っていただきたい。
森林・山村地域でボランティア活動をするには、たとえば人員の輸送問題をとってみても、四輪駆動の軽四の荷台でボランティアを運ぶことができるような「ボランティア特区」が必要だ。行政が配慮すべきことと考える。
◆行政・民間企業・NPO等との協働関係について・・・武市こうち森林救援隊幹事長(高知市役所)
それぞれが、何ができ、何をするべきかを考えて欲しい。財政的支援はともかく、まず、市有林を森林ボランティア活動の場、フィールドとして、それから、資機材を保管する倉庫などを提供して欲しい。
◆市長さんもボランティア活動への参加を・・・中川NPO土佐の森・救援隊副理事長(主婦)
ボランティア活動には男女の別なく、職業も様々、年齢も色々な方が参加している。市長さんも、ぜひ森林ボランティア活動に参加して欲しい。こうち森林救援隊名誉会長は如何?

【写真】岡崎市長と市役所幹部
◆私も、小規模森林所有者・・・岡崎誠也高知市長
鏡村、土佐山村と合併し、鏡川流域の森林地帯がすべて高知市となった。高知市民の水瓶であるこの森林地帯は30万市民の生命線であり、この広大な緑の森林を守ることが高知市政の大きな課題。森林マップもできているので、「市民の森構想」を、森林ボランティア団体とも協働して、すすめて行きたいと考えている。
高知市の森林地帯は、奥山が人工林で、手前が広葉樹林、里山となっている。ここ10年間で、どちらの山も整備してゆくつもりだ。18年度は、間伐等関係事業で7千万の予算を計上した。傾斜が急な所などは森林組合のプロに任せて、平坦な作業がしやすいところをボランティアの皆さんにしていただいたらと考えている。
がに越え地区のグリーンツーリズム活動は承知している。地元から、ピザを食べに来ませんか、と言われているので食べに行きたいと思っている。多くの人が、都市部と山村部で交流することは良いことだ。
財政的な支援、資機材倉庫などについては、地元の議員さんとも協議して、なやしをもって対応してゆきたい、と考えている。
郷里には小さいながら山林があるので、これからは手を入れていきたいと思う。間伐ボランティアには参加したいので、名誉会長ではなくて、ただの会員で結構ですので、こうち森林救援隊に加えていただきたい。(ここで大きな、拍手!)
◆総括(中川睦雄こうち森林救援隊副隊長)
行政とボランティア団体、そして民間企業との『協働』を目指しての「こうち市民の森・プロジェクト」懇談会を企画したところ、岡崎市長始め高知市の執行部が多忙なスケジュールを調整のうえ、懇談会に出席していただいたことに、心から感謝致します。
岡崎市長の「森に対する熱い想い」は、かねてより、マスコミ等で見聞きさせていただいていましたが、今回の懇談会での、誠意あるお言葉と深いご理解あるご意見に、我々「こうち森林救援隊」のメンバーは、大いなる勇気と希望をいただくことができました。
これからの社会生活、社会活動のためには避けて通れない「行政とボランティアの協働」関係のための礎となり、また、合併後の高知市の大きな課題である森林保全のためにも、大きな一歩が踏み出せたものと確信しています。今後は、さらに民間企業との連携を図っていくことも課題と言えます。
岡崎市長の「一隊員としてこうち森林救援隊に加えていただきたい」とのお言葉は大変有難く嬉しいことで、新しい森林ボランティア仲間として、快く迎え入れたいと思います。
山は新緑の季節を迎え、自然の中に身を置くには最高の季節となっています。是非一緒に心地よい汗を流しましょう。本日は本当に有難うございました。
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こうして、岡崎高知市長が、こうち森林救援隊の第75番目の隊員となり、森林ボランティア活動への参加宣言で、懇談会(シンポジウム)は終了しました。
こうち森林救援隊では、高知市民はもとより、県内外を問わず、森林ボランティア活動に参加していただける人を募集しています。申し込み・問い合わせは、こうち森林救援隊事務局(中川:090-2895-9083)まで。
◆
こうち森林救援隊(ブログ:土佐の森・救援隊)
[第14話] 橋詰寿男氏
プロフィール
1928年 高知県土佐山田町生まれ。
1948年 愛媛農林専門学校(現愛媛大学農学部)卒業。
1948年 高知県庁入庁。林業職員に。林業試験場長。
1985年 高知県庁退職。
現 在 NPO土佐の森・救援隊理事長

向山渡す沈下の橋架けぬ
橋脚据えし鮎群れる岩
(「四万十川百人一首」より)
■土佐の名建築
昭和38年4月、私は高知県幡多事務所林業課林道係長として赴任した。着任早々、大正町から、向山町有林伐採のため、同町上岡の国道から四万十川を渡り、林道を開設したい旨の陳情があり、現地踏査の結果、2号林道として採択が可能と判断したが、林道の主体は沈下橋であった。
同年8月19日、9号台風が来襲。四万十川源流点東津野村船戸に日雨量890ミリという50年ぶりの記録的大洪水に見舞われた。

私は緊急に被害調査を行いたい旨、上司に進言。すぐ調査班を編成、私は、激甚地域の調査を担当した。調査は、中村市から大正町まで行ったが、沈下橋は大半が流失しており、唯一、西土佐村の口屋内の沈下橋(林道として昭和28年に完成)が健在であった。
このことから、向山沈下橋は、口屋内の設計に準じようと決め、8月末県庁の書庫で、汗だくになって設計書を探した結果、丸山氏の設計書が幸運にも発見できた。
昭和38年は鮎も近来にない大豊漁で、現地測量の際、決めた橋脚位置の岩盤上で鮎を足で踏みつけた程であった。林野庁から、2号林道向山線として採択され、昭和39年に着工し完成した。
向山沈下橋は、口屋内と比べ、橋長は短いが、そのため両岸との調和が程よく、景観が素晴らしいとして、観光写真やポスターなどに数多く紹介されている。

また、高知新聞社刊行の「土佐の名建築」のひとつに掲載され、新聞紙上「土佐近代文化遺産」(沈下橋・四万十川流域)では『向山橋は延長60mの桁が路面部分を直線にして、その裏の下部では、一つ一つ弧を描く。背骨のように見えて、スペインの建築家アントニオ・ガウディの建築物を思わせる・・・』ここに至っては、いささか尻こそばい思いである。
なお、平成17年5月28日、高知新聞「四国名作紀行46」では、平成2年夏、映画「鉄拳」のロケが行われ、主演の菅原文太さんと共に『向山沈下橋』が登場している。
ともあれ、四万十川流域に多く残る名物の沈下橋の中でも、特に肉感的な造形が美しいと評判され、四季を通じ紙上で向山沈下橋が見られることは、うれしい限りである。
蜩の声涼やかに夕去りて源流の里に点る灯火(ともしび)
<東津野村船戸集落にて>
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[リレー・エッセー] 第15話 予告
■詩歌と四万十川と百人一首・・・

次回は、四万十川通信社の編集長、山藤花氏です。
現在、四万十川通信の総集編を発信中ですが、それと平行して、『四万十川百人一首』の編纂を手掛けています。
3月31日に完成予定だそうですが、四万十川と詩歌、百人一首のなどのことを、お話ししてもらいます。
■『宿』編

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[短歌・音楽の部]
竹の火で焼くにが竹に手づくりの味噌そえて出す四万十の宿
(山原健二郎・本山町)
◆山原健二郎氏の【
四万十川百人一首】
◆
埴生の宿
埴生の宿も わが宿
玉の装 うらやまじ
長閑なりや 春の空
花子はあるじ 鳥は友
おヽ わが宿よ
楽しとも たのもしや
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[俳句の部] <「四万十川俳句全国大会」より>
船宿に嫁来て赤きセーター干す (前田虹雨・埼玉県)
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[川柳の部] <「四万十川川柳全国大会」より>
待つという 楽しみがある鮎の宿 (足立淑子・牧方市)
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[詩・写真の部] <「四万十川(春夏秋冬)」より>
眺美酒 (お酒が美味しい・・)
春花夏雨眺美酒 (春は花夏は雨を眺めて・・)
秋錦冬雪眺美酒 (秋は錦冬は雪を眺めて・・)
最後清流眺美酒 (最後の清き流を眺めて・・)
春夏秋冬眺美酒 (四季折々風景を眺めて・・)
(溝渕幸三・四万十市)

【写真】かたらい(大野美智子・写真集「自賛他賛」より)
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[出放題の部] <高知新聞夕刊(平成6年2月)より>
【ニュース】四万十ウオークの申し込みが少ない。
申し込み低調
駆け込み歓迎です
ー四万十ウオークー
参加者殿
(高知・いられ))
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[新聞・写真の部] <「本家版・四万十川新聞」より>
■文句なし!の「四万十川新聞」(18.12.04)
四万十川での「鶴のお宿」の情報です!

(注:編集局)
例によって、写真をクリックすると、見づらい太郎氏の文句が見られます!
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[ブログの部]
■四万十川百人一首
今は早宿立ち出づる時となり青き流れを三顧四顧しぬ
(上林 暁)
◆朝比奈旅館

「今は早宿立ち出づる・・」の歌は、四万十川のほとりにある「朝比奈旅館」に書き残した色紙にあります。
【写真】四万十川べりの旅舎「朝比奈旅館」から赤鉄橋を右手に行くと「百笑の堤」が続きます。

◇
上林暁
○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o
■四万十川改修工事の巻<其の5>
[四万十川で土木工事の監督をする:4日目]
嘉永三年の冬・天気:晴れ
島田さんに「年休」出して、完全休業・・・。日記(ブログ&メルマガ)も休み。
良い天気なので、堤の松林で、昼寝をした。地元では、この松林のことを「並松」というらしい。長閑なり。昼飯を喰いに、築地の渡しに乗って、一条神社の方へ、ぶらりと散歩。
町道場があったので覗いたら、若い衆が、ウジャウジャ稽古をしていた。

【写真】樋口真吉の日記・遣倦録(けんけんろく)。幡多郷土資料館蔵。
(竜馬が父親のように慕っていたという真吉の土佐勤王運動に関する日記。)
ウジャウジャのなかに、歳は30程に見えるが、やけに背の高い男がひとりいた。鋭い眼光、見事な剣さばき、幡多で唯一、拙者の相手ができそう・・・。
気になったので、わきの男に、誰れ?と聞いたら、その男、自慢気に「樋口真吉」と教えてくれた。
【NHK風に解説すると、「これが竜馬と真吉の歴史的な出会いであり、このとき歴史は動いた・・・竜馬脱藩、文久2年の飛騰まで、あと12年。」】
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[歴史探訪:竜馬と樋口真吉]
■樋口真吉(1815~1870)

土佐西部勤王党の首領として知られ、坂本龍馬や土佐勤王党盟主の武市瑞山らと親交がありました。20歳下の竜馬からは父親のように慕われていたといいます。
文化12年、現在の四万十市小姓町に生まれた真吉は、筑後三池の大石神陰流・大石進に入門し、印可(免許)を受け帰郷後、中村に家塾を開き、その門弟は1,000人に及んだといわれています。
真吉が遺した日記は「遣倦録(けんけんろく)」。竜馬のバーチャル幡多日記を「けんけん日記」としている所以です。
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[ブログ・フォーカス]
■遣倦録(けんけんろく)
23日街中で、坂本竜馬に会い、一円金を与えて別れた。

【写真】遣倦録。南寿吉氏により平成18年4月、幡多郷土資料館(四万十市)で開催された「樋口真吉とその時代展」より。
なお、氏は坂本龍馬記念館(高知市)で同展の開催を準備しています。開催期日は、まだかっちりとは決まってませんが、10月1日から12月末までの予定です。
◆
高知県立坂本龍馬記念館
■ゴルゴ13の墓を四万十川に・・・(
幡多山正太郎・作)
(
不破川愚童斎・画)
【第10回】
◆ご自分の葬儀は、もう準備できてますか?
いっそのこと火薬の発明家ノ-ベルにあやかって、平和賞、科学賞、芸術賞などを贈る財団法人ノ-ベル基金に寄付しては。晩年のノ-ベル氏は、発明した火薬が戦争に使われて多くの人の死につながったと随分苦悩していたそうですよ。
あなたと共通事項がありますね。老後用の年金代わりの必要経費を差し引いても、ぐっすり残る多くの金銭の有効処理、本当に今から考えておいてくださいね。

【挿絵】ハロ-ワ-クで就職活動をするG13
ところでここからが肝心の本題ですが、ご自分の葬儀は、もう準備できてますかね。その筋の研究機関の人間があなたの体からすぐれた身体機能を研究するためDNAを採取しょうとする情報もある事ですし、当然火葬を代理人に指定されている周到ぶりでしょう。あるいはスチ-ブマックィ-ンみたいに海に遺灰をばら撒く手配までしているかな。(続く)
[投稿]・・・『寅さん・6』
■久米真未氏

◆関連ブログ:
新・四万十川新聞【日曜版】

■バックナンバー(古新聞)
<平成18年9月>
第44号 (2006.09.03)
蝉と少年
第45号 (2006.09.10)
四万十文芸・春秋 『百花繚乱編』
第46号 (2006.09.17)
品格
第47号 (2006.09.24)
四万十文芸・春秋 『赤鉄橋編』
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(「切り抜き」第46号より) 品格
■四万十川

この川には「品格」がある!
しかし、この「品格」は・・・
地元民が意図して努力した成果ではない!
が…太郎を含めた多くの人は「俺の川だ!」と自慢する!
勝手である!
■日本
この国には「品格」がある!
しかし、この「品格」は・・・
政治家が意図して努力した成果ではない!
が…多くの政治家は「俺達の品格が表れたお蔭だ!」と鼻を高くする!
厚顔である!
【写真】四万十家 太郎&花子(下関・関門橋にて)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[四万十川の愛唱歌]
■
いい日旅立ち

私は今から
想い出を作るため
砂に枯れ木で
書くつもり
さようならと
【写真】さよなら、小泉首相・・・
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[おまけ] <「本家版・四万十川新聞」より>
■四万十家
我が家にも・・・
自慢はしないし、誰も誉めないものの「品格」がある?
しかし、この「品格」は・・・
太郎が意図して努力した成果ではない!
ただ…花子の指示に盲従しただけのことである!
花子恐るべし、である!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[編集後記]
太郎 「今日の【日曜版】は”クレーム”が来そう!」
花子 「大丈夫!ゴミ箱直行!」
○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o
写真集=
『ブログフォーカス(四万十川通信)』
壁新聞=
『県庁ぷらっとこうち版・四万十川新聞』
○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o
『未来の森づくりプロジェクト』(いの町本川/18.2.25)
<主催:いの町/NPO土佐の森・救援隊>
************************
■記念式典

『未来の森』は面積、約15ヘクタール。この森ですすめられている「未来の森づくりプロジェクト」は、自然保護や交流人口拡大などを図るために、旧本川村が、県の「木の文化県こうち」運動に呼応して、平成7年度に着手しました。
しかし、財政難から一時凍結、昨年度、伊野町と合併したことを契機にプロジェクトの再開を決め、現在、NPO土佐の森・救援隊など四国の森林ボランティアによって『森林ツーリズム』として、プログラムが実行されています。
その記念式典(現地視察・調印式・フォーラム<講演会>・交流会など)が行われ、県内外の森林ボランティア、森林・林業関係者ら約70人が参加しました。
◆
未来の森づくりプロジェクト
◆
未来の森づくりプロジェクト記念式典
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
■フォーラム『未来の森づくりプロジェクト』
◆内 容( 講演及び参加者とのディスカッション)
・演 題 : 『近自然作業道と森づくり』
・講 師 :
田辺由喜男氏(高知県大正町産業経済課長)

【あらまし】
田辺さんは、この道を使って搬出した木材を、市場に出すことにより、充分経済的に成り立つ経営が可能であり、道作りの専門家を養成するなど雇用の確保にもつながるということを、具体的な数字をあげながら説明されましたが、説得力のあるものでした・・・[more]
・演 題 : 『木造建築と移動式製材機』
・講 師 : 山中宏男氏(製材名人)

【あらまし】
山中さんは、1台で和風建築と洋風建築の両方に使える製材機は日本には他にはない、なんでも出来るので今まで製材で困ったことがあった人は相談にのる、と自信を見せました・・・[more]
・演 題 : 『NEDOのバイオマス発電システム化実験事業』
・講 師 : 三本 哲氏(仁淀川町産業建設課長)

【あらまし】
民間企業、行政、NPOの協働モデルとして、NEDOの発電プロジェクトに使うバイオマスの一部を、NPO土佐の森・救援隊が「未来の森」での間伐材、端材などを供給するシステムを検討中です・・・[more]
◆フォーラムの【あらまし】の続きについては・・・
「
メルマガ:四万十通信160」(18.3.16:松崎武彦氏の報告書「バイオマス通信」)に掲載。【
登録】
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[あいさつ]
■橋詰寿男:土佐の森・救援隊/理事長

ここ、「いの町」長沢の町有林が、高知県「生き活きこうちの森づくり推進事業」に選ばれまして、「未来の森づくりプロジェクト」を開始するにあたり、一言、ご挨拶を申し上げます・・・[
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【写真】調印式
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[ひとくちメモ]
■森林ツーリズム
いの町とNPO土佐の森・救援隊では、『未来の森づくりプロジェクト』に関連、連動した活動、イベントなどを、橋本知事が提唱する『森林ツーリズム』として行っていく方針です。

◆
橋本知事の提唱する『森林ツーリズム』